TOEIC® L&R TEST リーディングセクション Part別攻略法!文法問題対策にも使える!
TOEIC® L&R TESTリーディングセクション全体の注意点・勉強法は?
リーディングセクションは計75分でPart5〜7まで行われます。75分間で、自分のペースで問題を解き進めていく形式の試験です。リスニングと同様、問題用紙にメモを書くことは禁止されているため、スラッシュや丸印などの簡単な書き込みも行うことができません。
リーディングは時間との勝負のため、Part5・6をできるだけ早く解き終え、Part7に時間をかけられるよう進めたいところです。
理想的な時間配分としては
- 【Part5】
10分=1問あたり20秒で解く - 【Part6】
10分=1文書あたり2分半で解く - 【Part7】
55分=1問あたり1分で解く
というのが最低でも守りたいラインで、可能であればもう少し短縮できるとよりゆとりが生まれます。
悩む時間をなるべく減らしたいため、迷った問題は「これかな?」と思うマーク欄に薄く印を入れておきましょう。そのまま先に進んで最後まで終えたあと、薄く塗った問題だけ解き直したり、時間がない場合は薄い部分を濃く本塗りする、というテクニックも大事です。
リーディング全体を通して、語彙・文法の基礎をきちんと身につけておくことが必要です。書き言葉(リーディング)の方が、単語や文章の複雑性・難易度が上がっていくため、基礎をしっかり固めることが大事です。
また、長文になっても速く正確に読み進めるスキルも重要です。言語能力が高いほど、英文を速く処理できます。時間ギリギリの速度でしか読めないということは英語力がまだ足りておらず、最後まで解ききることができなかったり、焦りに繋がったりしてしまいます。
勉強法としては、リスニングと同様に音読を徹底的に行っておきましょう。目で見て素早く情報を処理するためには、音の力を借りることが大事です。黙読だけでは読みづらい文章を声に出して処理していく練習を積んでおくと、黙読での処理力が上がっていきます。(日本語でも、読みづらいものはつい声に出して読んでみたりしますよね。)
黙って読んでいるだけだと、どこで引っかかったのか、どの単語や文構造がわからなかったのかの把握がしづらいため、リーディングについても音読を意識しましょう。音読の際は、まずは文字を声に出すところから始め、それから内容を理解しながら英文を話すようにしましょう。音読をすることで、英語の語順のままで内容を理解する力を鍛えることもできます。
リーディングの問題を解く際は、ただ解いて答え合わせをするだけでなく、「なぜ正解の選択肢になるのか?(他の選択肢はなぜ間違いと言えるのか?)」をしっかり確認しておくことが重要です。解説まできちんと読み、どういった理屈で正解になるのかを把握する・説明できるようにしておくと力がつくでしょう。
さらに、可能であれば初級者でも普段から読む英文量を増やしておきましょう。「読む」というスキルそのものを使う練習が必要だからです。英語のニュース記事など、身近にある英文に触れる機会を意識的に増やしましょう。
TOEIC® L&R TESTリーディングセクションPart5の概要・対策法は?
Part5は短文穴埋め問題で、全30問です。空欄にあてはまる解答を選択肢から選ぶ問題です。
【参照】
https://www.iibc-global.org/toeic/test/lr/about/format/sample05.html
「短文穴埋め問題」ですが、20語程度の少し複雑な文も混在し、速く正確に読む力(単語や文法を速く正確に理解する力)が問われます。
時間をかけずに取り組めるようになるコツとしては、「語彙と文法の知識を増やすこと」「語順通りに理解して読めるようになること」が大事です。間違えたもの・読めないものを中心に、文法事項(主語・動詞や意味のまとまり、修飾語・関係代名詞など)を人に説明できるようになるくらいまできちんと理解しておきましょう。
特に文法では、品詞の問題が4分の1程度出題されます。これは、品詞のルールさえ覚えてしまえば速く正確に解けるようになる設問のタイプで、600点を目指す人でも正解しやすい問題です。具体的には、選択肢に少しだけ形が違うよく似た単語が並んでいる問題を指します。徹底的に復習して品詞をマスターすると、点数を稼ぎやすくなります。
逆に、解きにくいのは語彙問題です。選択肢に全く違う単語が並んでいるタイプの問題です。これらは、意味がわからない(解けない)と感じた場合は、考えても正解にたどり着けないため、初級者はそこで悩まず「適当にマークして」先に進む方が無難です。一方、考えれば正解にたどり着ける問題は、Part7などの読解問題です。そのため初級者ほど、なるべくPart5の難しい問題で時間を使わずに、 Part7に時間を残せるとスコアを上げやすくなります。
Part5のPOINT
- 語彙と文法の知識を増やすこと
- 語順通りに理解して読めるようになること
TOEIC® L&R TESTリーディングセクションPart6の概要・対策法は?
Part6は長文穴埋め問題で、全16問です。長文が4セットで、それぞれ4設問あります。長文中の空欄にあてはまる解答を選択肢から選ぶ問題です。Part5と同じ解き方でほとんど解ける一方、Part7と同じ要領で英文を読む力が必要です。
【参照】
https://www.iibc-global.org/toeic/test/lr/about/format/sample06.html
Part6で出題される問題には、文脈依存型(文選択問題を含む)の問題と文脈に依存しない問題があります。前者の問題では、文全体の構造をつかむと取り組みやすいため、英文の情報の流れとして「概要→詳細」「 結論→理由」などの順が基本であることをおさえておきましょう。
文脈依存型英文の構成
後者の問題は空欄のある文を読むだけで正解を判断することができます。もし、解いているうちに「時間が足りない!」と思った人は、前後の文章を読まずに空欄だけで判断ができる後者の問題を探し、優先的に解き進めていくとよいでしょう。具体的には、選択肢に品詞の違う関連語が並ぶものや、時制以外の動詞の形を問うもの、関係代名詞を選ぶものなどが、文脈に依存しない問題に多い問題タイプです。
長文対策としてPart6・7で共通して言えることは、冒頭でも述べた通り「音読が大事」ということです。学習の一連の流れとして、「問題を解く」「答え合わせをする(正解の選択肢の解答の根拠を確認する)」「解説を見ながら、不明な点が残らないよう全文を理解する」「文章の音読をする」というのをセットで取り組んでいきましょう。
長文対策学習の一連の流れ
TOEIC® L&R TESTリーディングセクションPart7の概要・対策法は?
Part7は読解問題で、15セット・全54問です。1つまたは複数の文書を読み、設問に適した解答を選ぶ問題です。前半はシングルパッセージ(1つの文書に設問が2〜4問)で、後半からダブル/トリプルパッセージ(2つまたは3つの文書にそれぞれ設問が5問)が出題されます。
【参照】
https://www.iibc-global.org/toeic/test/lr/about/format/sample07_01.html
Part7で出題される長文は文書のパターン(チャット、記事など)があります。どんな文書であるのか、まずは全体を俯瞰して概要を掴むことが重要です。
出題される54問のうち、時間がかかる問題とそうでない問題があります。時間がかかる問題の例としては、設問文に大文字でNOTが含まれる問題やindicated/suggestedが含まれる問題などがあります。(長めの選択肢を1つずつ読んで本文と照合する必要があるもの・文の位置を選択するものは時間がかかりやすい傾向があります。)
初級者の人は時間がかかりそうな問題は後に回す(仮で薄くマークをしておく)のも一手です。54問のうち、どこかしらに初級者向けの問題があるため、簡単な問題にたどり着けずに終わってしまうのはもったいないことです。悩みすぎず、ある程度見切りをつけながら進めるようにしましょう。
長文を読む練習をする際には、自分の読む速度を測り、客観的に把握するのもおすすめです。目安としては「1分間で160〜180語程度読める」を指標にすると良いでしょう。
まとめ
Part別に見ていくと、より時間との勝負であるということが感じられたでしょうか。リーディングの対策の基本としては「音読」「解説を読み込む」「自分が解ける問題を判断する」ということがあげられます。これらの点を確認したうえで、本番までに少しでも読解スピードや正確性を上げ、準備しておきましょう。
監修
山田 治 先生
スタディサプリENGLISH基礎講座(英文法・英単語)講師/コーチトレーナー。1976年、茨城県生まれ。麗澤大学大学院卒業。TOEIC® L&Rテスト990点(満点)、英検®1級。高校時代までは英語が大の苦手だったが、日本国内で英語劇を創作することで英語力を伸ばした。中高一貫校での英語科教諭や語学学校講師を経て、現在は大学や専門学校で講師も務める。役者のトレーニング方法、第二言語習得研究の知見、CTT+(国際トレーナー資格)の教授法を駆使して、英語4技能を伸ばす指導を実践。英語学習コーチ向けに、学習者の目標達成を支援するための研修も行なっている。2児の父でキャンプが好き。(※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。)
- 学習参考書:
- TOEIC®テストで「高得点を取れる人」と「取れない人」の習慣 (共著・明日香出版社)
- TOEIC® L&Rテスト Part 5 語彙問題だけ555 (共著・アルク)