
「聞き取れないんですよ、英語が。文字にすれば“な〜んだ、こんなに単純なことを言っていたのか”と思うんですけどねえ…」という誰かの発言を聞いて、「それ、私も一緒だ!」と思った人は多いのではないでしょうか。この記事では「こんなに単純なこと」が聞き取れない理由と、その対策について考察していきます。
1. 英語初心者のための効果的なリスニング勉強法
1.1 中学英語を勉強し直す
この対策には反抗したくなる方も多いと思われます。しかし「リスニングはともかく、中学の時は英語が得意だった!」と思っている人がちょっと我慢して中学英語を復習し直したらリスニングが楽になった!という例は山ほどあります。「中学英語もまったくムリ」な方は「中1英語のまとめ」のような問題集を書店で探して取り組みましょう。その後で「中2英語」→「中3英語」と進んでいきます。中学英語はほぼ大丈夫な方は同じく書店で「中学英語総まとめ」のような問題集を選んでください。途中で苦しくなった場合は「中2英語のまとめ」などに切り替えましょう。大人が勉強するのです。無理する必要などどこにもありません。
1.2 文法を覚え直す
さて、前項で記載した内容とも大きく重なる事項ではありますが「中学英語は大丈夫だ(と思っている)がリスニングが聞き取れない」という人に実際に簡単な英文を聞き取ってどんな英文だったか言ってもらうと、「その位置にその形の単語が入る英文はこの世に存在しません!」ということが山ほどあります。大丈夫だと思っていても「英文法」の力があやふやだったりするのです。次の質問に1つでも間違えた場合は、「急がば回れ」の思想で中学英語から勉強し直すことをさらに強くお勧めします(正解は記事の最後に)。
<中学英語 確認問題>
- 進行形に必要な「部品」2つは?
- 受動態に必要な「部品」2つは?
- 完了形に必要な「部品」2つは?
- 不定詞に必要な「部品」2つは?
リスニングは結局「耳(聞こえるもの)」の力だけでなく「耳(聞こえるもの)+知識」の勝負だ、と気付いた人から聞こえるようになっていきます。
1.3 発音と一緒に単語を覚える
「文字にしたらわかるのに」と嘆く人に顕著な効果があるのが「発音と一緒に単語を覚えること」と「英語の音声変化のルールを理解すること」です。いきなりですが、皆さんは「morning」をどう発音されますか?「え?“モーニング”以外にどう発音するの?」と思った方もいるのではないでしょうか。一度実際にWEBや電子辞書などで音声を聞いてみてください。実は「モーニング」ではなく「モーヌn」と聞こえるのです。まずは頭の中にこびりついている「この単語はこう聞こえるはず」という思い込みを廃して「実際にはこう発音される」という「実際主義」を取ってください。
1.4 英語の音声変化のルール(短縮、連結、同化など)を理解する
前項のお話の続きです。今度は「Good Mornin’」をどう発音するか考えてみましょう。現時点で「グッド・モーヌnと発音されそう」と予測できていれば上出来です。こちらもWEBや電子辞書などで音声を聞いてみてほしいのですが、これは実は「ド」が聞こえず「グッモーヌn」と聞こえます。「dはどこへ行った!?」と思ってしまいますが、語末が子音(a、e、i、o、u以外)で、後ろに母音(a、e、i、o、u)始まりの語がない場合、語末の子音は発音されない場合がほとんどなのです。音声変化のルールについては、理屈を先に覚えるよりは実際に英語を聞きながら覚えていく方が効率的です。
2. リスニング力を高めるための実践的なトレーニング
2.1 ディクテーション
聞こえた英文を書き取るトレーニングです。「この英文がどうしてもわからない!」というものだけを対象にディクテーションしてみましょう。1回聞いてわからない英文は3回、5回と聞いてもわからないのが当たり前。30回くらいは粘って聞きたいところです。あなたの「こう聞こえるはず」という思い込み発音と、音声変化のルールに気づくために必要なプロセスです。
2.2 シャドーイング
無事に聞き取れた後に大切なのがシャドーイング。英語音声を流しながら少し後から発音していくトレーニングです。忘れてはならないのが「聞こえたとおりに発声すること」。「ここは単語と単語がくっついて聞こえる」など、お手本音声どおりにシャドーイングし、聞こえ方そのものをあなたの体に叩き込んでください。
3. 初心者が避けるべきリスニングの勉強法
3.1 インプットだけの勉強
言語はすべて「相手に情報を伝える」という能動的目的を持って生まれています。あなたの英語もまったく同じです。「聞く(受動)」だけではもったいない!ぜひ「話す(能動)」の練習もしたいところです。ディクテーションとシャドーイングまで練習した素材は、ぬいぐるみ相手でも構わないので、ぜひ気持ちを込めて語りかけることを習慣としてください。
3.2 長時間の勉強
「たくさん勉強すると上手くなる」のは基本的に事実ですが、ここまで見てきたとおり英語のリスニング力アップには「耳」だけでなく「耳+英語の知識」が必要です。たとえば週末にまとめて3時間リスニングの勉強をするよりも、「毎日10分間」の方が実際には力がつきます。たとえば「お風呂に入る前に10分間だけリスニング」のように、毎日の生活習慣の中に勉強時間を組み入れてしまうのがお勧めです。
4. まとめ
さて、ここまでリスニング力を上げるためのトレーニング法についてまとめてきました。かなり耳の痛い話もあったかもしれませんが、「急がば回れ」を信じて「1日10分×3カ月」程度の時間をリスニングに割いてみてはいかがでしょう?「聞き取れないんですよ、英語が」と2年後、3年後の自分に言わせないためにも。
<中学英語 確認問題の解答>
- be動詞+〜ing形(現在分詞)
- be動詞+過去分詞
- have(has、had)+過去分詞
- to+原形動詞


