
ビジネスにおける英語力の指標として日本で最もメジャーな試験であるTOEIC® L&R TESTですが、実際どのくらいのスコアを持っているとどのような職業に就くことができるのでしょうか。この記事では、TOEICのスコアを基準として、どのような仕事で英語力を活かせるについてお伝えします。もちろん、TOEICのスコアはあくまで「英語の読み取り・聞き取りの基礎力」を示す指標です。実際の仕事ではスピーキング力や実務経験が重視されることも多いため、目安のひとつとして参考にしてください。
1. TOEICスコア500~600点が目安の仕事一覧
1.1 空港グランドスタッフ
空港でグランドスタッフ(地上職員)として働く場合、多くの航空会社で「TOEIC550点以上の語学力を有すること」を条件として掲げているようです。英語でのアナウンスや搭乗手続き、外国人客への案内など、基本的な接客英語が求められる場面が多くあります。英語に苦手意識があると対応に時間がかかるため、スムーズなやりとりができる英語力が望まれます。
1.2 旅行会社の社員
海外とのやり取りが多い旅行会社の社員も、TOEICスコアをある程度持っていたほうが有利な仕事です。部署にもよりますが、最低ラインとしてTOEIC600点程度は取っておいたほうがいいでしょう。旅行先の情報収集、現地手配会社との連絡、ツアー資料の翻訳など、実務での英語使用頻度は比較的高く、英語が使えると業務の幅が広がる職場です。
1.3 貿易事務の補助スタッフ
通関書類や海外から送られてくる請求書などの書類の読み書きを中心として英語を使う仕事である貿易事務は、自分の英語力を活かしたい人に向いている職種のひとつです。補助的な仕事を行うのであればTOEIC500点~600点台でも始めることができるでしょう。仕事をしながら貿易に関する英語表現などの知識を蓄積していくことで、将来のキャリアアップにもつながるかもしれませんね。
2. TOEICスコア600~700点が目安の仕事一覧
2.1 キャビンアテンダント
機内でお客様の対応をするキャビンアテンダントは、地上職員と比べて少し高いスコアが求められているようです。国内のエアラインでは「TOEIC600点以上、または同程度の英語力を有することが望ましい」などと記載されているところが多いですが、競争が激しい職種なので、可能な限りスコアの上積みを図りたいところです。
2.2 ホテルスタッフ
外資系ホテルや観光地の大型ホテルでは、英語を使った接客対応が求められることが多いため、TOEIC600点以上を一つの目安としているところもあります。外国人ゲストからの問い合わせ対応や、英語での電話対応、簡単な観光案内などが仕事内容に含まれる場合もあります。日常英会話に加え、観光や接客に関する語彙や表現にも慣れておくと、現場でよりスムーズに対応できるでしょう。
2.3 英文会計事務
英文会計事務は、海外企業との取引に関する請求書や報告書の作成、メールのやり取りなどを行う職種で、英語の読解力・文書作成力が重視されます。会計に関する専門用語を理解する必要があるため、TOEICスコアは600〜700点程度に加えて、会計知識の基礎も備えておくと就職に有利です。「会計スキル+英語力」という組み合わせは市場価値が高く、将来的には経理・財務のキャリアにもつながる可能性がありますし、例えば米国公認会計士(US CPA)のような専門資格を目指してみるのもよいかもしれません。
3. TOEIC700~900点が目安の仕事一覧
3.1 パイロット
パイロットにはICAO(国際民間航空機関)による英語能力基準をクリアすることが求められます。TOEICスコアとしては700〜800点以上を持っている人が多く、加えて航空無線で使用される専門用語や独自の表現に慣れる必要があります。日常会話とは異なる訓練が求められるため、TOEIC高得点を持っていても、それだけで即戦力になれるわけではありません。英語を使った瞬時の判断力も重要ですし、もちろん視力や健康状態などの基準も満たす必要があります。
3.2 中学・高校の英語教師
中学校・高校の英語教員になるにはまず教員免許が必要ですが、それに加えて採用試験や就職活動での英語力の証明としてTOEIC700点以上を求められることが増えています。特に生徒との英語でのやりとりや、英語4技能の指導が重視される現在、教師自身が高い英語運用能力を持っていることは重要です。一方、英語が苦手な生徒にわかりやすく英語のルールを教え、理解させる能力も必要となります。
3.3 英会話講師
英会話スクールやオンライン英会話などで働く講師には、実践的な英語力が問われます。TOEICスコアでいうと700点以上が一つの目安になりますが、会話力や指導力も重視されます。特に初心者の生徒にとっては、わかりやすく丁寧に教える日本語での説明力も重要です。なお、子ども向けの講師とビジネスパーソン向けの講師とでは、必要とされる語彙や指導スキルが異なるため、自分の強みに合った分野を選ぶと良いでしょう。
4. TOEICスコア900点以上が目安の仕事一覧
4.1 国際機関職員(UNやNGO)
国連(UN)をはじめとする国際機関や非政府機関(NGO)で働くには、高度な英語力が要求されます。TOEICスコアで言えば、ほぼすべての機関でTOEIC900点以上が課せられると思っておいてよいでしょう。もちろん、「読む・聞く」だけでなく「書く・話す」場面も多く発生しますので、4技能すべてのスキルアップは必須です。また、会議の運営や議事録作成などの事務作業を、様々な国から来た同僚とコミュニケーションを取りながら臨機応変にこなせる対応力も必要とされる職業です。
4.2 翻訳者
様々なジャンルの英文を読者にとって読みやすい日本語にする翻訳の仕事は、TOEIC高得点者であれば一度は考えたことがあるのではないでしょうか。翻訳者に要求されるレベル感として、TOEICスコアが900点以上あることは必須と言ってよいでしょう。ただし、TOEICは英語で英語を理解すれば問題ありませんが、翻訳においては高い日本語力も要求されるため、高スコアを取っていても一筋縄ではいかないものです。また、最近では翻訳者も何らかの専門性を要求されることが多いので、TOEICのスコアアップと平行して専門分野の勉強も欠かせません。
4.3 通訳者
英語のプロである通訳者になりたいのであれば、TOEICのスコアは900点以上でも足りないくらいです。ナチュラルスピードで流れてくる様々なアクセントの英語を、固有名詞や数字を含めて正しく聞き取り、それを瞬時にわかりやすい日本語にするスキルは、TOEIC満点保持者でも容易に習得できません。むしろ、TOEIC900点は通訳者の訓練を始める最低線と言っても過言ではないでしょう。翻訳者同様、例えば国際会議や医療などといった専門性を磨くことも必要になってきます。
5. 未経験から英語を使う仕事に就くための方法
5.1 必要な英語レベルを把握する
まずは、目指す職種でどの程度の英語力が求められるのかを明確にすることが大切です。TOEICスコアの他にも、TOEFL® TESTなど別の資格を求める職場もありますので、募集要項は事前によく確認しましょう。また、「読み書き中心」「会話中心」など仕事によって求められるスキルは異なります。自分の現在の力と目標レベルとのギャップを確認することで、効率的な学習計画を立てやすくなります。
5.2 仕事で求められる英語スキルを習得する
英語力を伸ばす際は、単にTOEICのスコアを上げるだけでなく、「仕事で使える英語」を意識して学習を進めることが重要です。例えば、貿易事務を目指すなら英文メールの書き方や請求書の英語表現、ホテルスタッフであれば接客英語やクレーム対応のフレーズなど、実務に直結する表現を重点的に習得しましょう。
5.3 自分の英語力を示す
客観的な英語力の指標としてTOEICをはじめとした試験のスコアを持っておくことは、就職活動や転職活動で非常に有効です。できればTOEIC® S&W Testsなどスピーキングとライティングの能力を測定するテストを受けておくと差別化が図れます。また、スコアに加えて英語を使った実績をアピールできるとより効果的です。例えば、「英文メール対応を月に●件こなしていた」「外国人顧客のクレーム処理を担当した」など、具体的な業務経験があれば積極的に伝えましょう。
6. まとめ
TOEICスコアを基準とした、英語力を活かせる仕事の例と、そういった仕事に就くためのポイントについてお伝えしました。英語力が高くなるにつれて、できる仕事の幅も広がり、より高度なことができるようになることがおわかりいただけたのではないでしょうか。この記事があなたのモチベーションを高め、可能性を広げる手助けになれば幸いです。


