
日常英会話というと簡単そうに聞こえますが、意外にも、ビジネス英語がそれなりにできても日常英会話は苦手、という人が多いです。ここでは、日常英会話が簡単そうで簡単でない理由と、どのようにアプローチすれば日常英会話を楽しみながら上達できるかについてまとめています。
1. 日常英会話ができない理由
1.1. 日本人はなんでもない会話が苦手
海外旅行に行った時など、ホテルのエレベーターで知らない人から英語で話しかけられたり挨拶されたりした経験はありませんか?一般的に英語のネイティブ話者は沈黙が苦手なので、その場を会話で埋めようとする傾向があるようです。結果、当たり障りのない会話がとても上手、という印象があります。
逆に多くの日本人は知らない人との間の沈黙を苦痛に思わない傾向があるので、マインドセットとして当たり障りのない話をすることに意味を見つけにくいとも言えると思います。英語で話すことにコンプレックスがある場合はさらに、自分から話を切り出すことも少ないでしょう。このように、そもそもの会話に対するアプローチやその背後にある考え方が異なるところも、日本人がなにげない会話をやや苦手だと思う理由かもしれません。
1.2. 簡単な単語を知らない
ビジネスやアカデミック向けの難しめの単語は知っていても、日常生活の中で使う表現はあまり知らない、という人は多いのではないでしょうか。例えば「(物に)つまずく→trip over」「転ぶ→fall」「(買い物などのカジュアルな)お使いをする→run an errand」「不意を突かれる→be caught off guard」「他人に甘い→softie」など、日本語で日常的に使っている表現をどれくらい英語で言えますか?
ビジネスやアカデミックのシーンと、友人と気楽に話す時の語彙とでは少し違うタイプのものが多いでしょう。友達との軽いおしゃべりも、本当に自分の言いたいニュアンスで伝えるにはそれなりの単語やフレーズが必要になりますが、なかなかそれをリアルに学ぶ機会が無いことが、日常会話の上達を難しくしている理由の一つかもしれません。
1.3. 句動詞(Phrasal verbs)を知らない
ネイティブ同士が会話しているのを横で聞いていて「簡単な単語ばかり使っているのに何を言っているのか分からない」と思ったことはないでしょうか。全部知っている単語のようなのに会話についていけない場合、句動詞(phrasal verbs)がわからないことが原因の一つかもしれません。一般に英語ネイティブ同士が周りに遠慮なく話す場合、スピードが速い、ということはもちろんですが、句動詞を大量に使っていることが多いです。句動詞とは「動詞+前置詞」や「動詞+副詞」などの組み合わせ(専門用語でparticleと呼びます)で、一見してそれらの単語の意味とは関連性の少ないものも多く、意識的に勉強しないとなかなか増えない知識です。
例えば、「bring about→もたらす、引き起こす」、「make up→仲直りする、作り話をする」、「give in→降参する、屈する」、「take after→(親や家族に)似ている」などです。面白いですね!句動詞はそれだけで辞書ができるほどたくさんありますので、まずは、自分が日本語で友人と話す時によく使う表現を、英語で句動詞に置き換えると何というのか調べるところから始めてみてはどうでしょう。
2. 効果的な日常英会話の勉強法
2.1. 英語を話す外国人の友人を作る
やはり定期的に何でもない話をする機会を作ること、これが何と言っても最も効果的なのではないでしょうか。筆者の周りでは、外国人の友人や恋人がいる人たちは日常会話がとても上手な場合が多いです。対面で会う人でなくても、今の時代オンラインで話せる相手でも良いですね。会話の上達には、とにかく話す回数を増やし、場数を踏むことです。
また、相手の話している英語をよく聞き、分からない表現があったらすぐに聞いてみるなど、後回しにせずにその場でインプットしましょう。そして自分からもどんどん話題を提供することです。「こんな話をしても興味を持ってくれないかも」と思っても、まずは口から出して言ってみることが大事です。
2.2. 日常会話がメインのドラマや映画から学ぶ
どのようなドラマや映画にも日常会話は入っていますが、動画を使って日常会話を学ぶのであれば、なるべく日常会話の比率が高い作品が良いですね。自分が学びたいと思うような会話のシーンが多そうなものを選ぶと良いでしょう。
例えば、学生の会話なら学校や大学が舞台のもの、大人の友人同士の会話であれば友情をテーマにしたもの、恋人との会話であれば恋愛ものが役に立つでしょう。また、カジュアルな会話はアメリカ英語とイギリス英語とでは文化的な違いもありますので、できる限り自分が想定する状況に近い作品を選んでみることをおすすめします。日本のアニメ作品など、自分がよく知っているものを英語で見るのも良いと思います。
2.3. 英語日記を書く
自分が毎日やっていることや考えていることを英語にするには、英語で日記をつけることがパーソナライズされた一番の練習ではないでしょうか。実際に英語で日記を書こうと思うと、意外にも表現を知らないものが多く驚くでしょう。身の回りの品物の名前、簡単な動作の説明、感情を表す表現など、今までの学習でカバーしてこなかったものが明瞭になってきますし、学習のモチベーションも湧いてくると思います。最初は数行から始めて、日記を書くことをルーティンにできると、無理なく日常会話の表現が身についていくでしょう。
2.4. 書籍を使う
大きめの書店に行けば「英会話」の学習本がたくさん並んでいます。基本的な文法を学んで応用するタイプのものから、旅行での会話に便利な会話のフレーズ集まで、選びきれないほどの本がありますので、まずは目次や中身に目を通してみましょう。自分がすぐに発話できそうなレベルで、自分が学びたいと思っている場面での会話が多いもの、などがおすすめです。旅先での日常会話とオフィスでの日常会話はかなり違うので、目的をはっきりしてから本屋さんに足を運ぶと、より自分に合った一冊が見つかるでしょう。
Amazonなどのオンライン書店でも内容の一部を見ることができるサービスがあれば確認するようにします。また、教材は必ず音声のダウンロードやCDが付いているものにしてください。スペルだけ覚えて発音が分からない、では会話ができるようにはなりません。
2.5. 英会話アプリを使ってみる
2025年現在、多くの英会話アプリにAIが搭載されており、AIのChatbotを活用して英会話を練習することはかなり一般的になっています。また、自分の発話したものが文法的に正しいか、自然な表現になっているか、などフィードバックをくれるものも多く、気軽に英会話の練習をスタートするにはとても良い環境が整っています。
会話のスピードや自然さを求める人にとっては、まだAIのレスポンスが遅く不自然、など不満も感じるかもしれませんが、それでも低コストで好きな時間に英会話のトレーニングができるというのは革命的だと思います。
2.6. 英会話教室などに通う
自己学習を進めるにはモチベーションの維持が難しいと感じる方や、一人で練習するのは寂しいと思う方は、英会話教室に通うのが良いでしょう。良い先生や仲間と出会うことができれば、また世界が広がっていきます。
筆者は、日本人同士や英語を外国語とする人同士が英語でコミュニケーションの練習をすることは、会話上達への良いステップになると考えています。お互い英語が母国語でなければ、相手の話を理解しよう、相手の発話から学ぼう、という姿勢も生まれますし、ネイティブとの会話に比べてスピードも抑えられるため、気後れせずに練習できるでしょう。
2.7. プライベートレッスンを受ける
短期間で効率的に英会話を上達させたいと考える方は、一対一など少人数のプライベートレッスンを受講するのが良いでしょう。お金はかかるかもしれませんが、自分に合ったプログラムを組んでもらえるので、短期間で目標を達成できる可能性が高まります。また、学習の継続やモチベーション維持のサポートを受けられる場合も多いはずです。
リストの上の方はご自身のモチベーションが高い場合に有効な、お金はあまりかけない勉強法です。下の方はお金はかかるけれどモチベーションの部分も助けてもらえそうな勉強法と言えます。ご自分の性格に合う学習スタイルや予算・目標などを整理して、最適な候補を絞っていけるとよいですね!もちろん上記を複数組み合わせて学習すれば、さらに効果が期待できます。
3. モチベーションを維持するコツ
英語は日本人にとって「外国語」なので、日常生活の中で自然に英語を使う機会はほとんどありません。そのような環境でモチベーションを維持するのはなかなか大変なことです。英語を話す環境が無いなら、自分で環境を整えるのが一番確実です。上記2.1~2.7は学習方法でもありますが、モチベーションを維持するための手段でもあります。
また、日本人同士が英語でコミュニケーションを取ることを目的とした交流会やイベントなどもたくさん開催されていますので、探してみてください。そして最もモチベーションを上げやすいのが、海外旅行や短期の語学留学などをしてみることでしょう。言葉は誰かとのコミュニケーションの中でこそ、その価値が発揮されます。自ら英語でコミュニケーションできる機会をどんどん作ることをおすすめします。
4. まとめ
この記事では「日常英会話の勉強法」を中心にいろいろとご紹介しました。習熟度に関係なく、上達のコツは英語でのコミュニケーションを実践する頻度を上げること、その中で気づきを得て自分の発話を磨いていくこと、に尽きると思います。たくさん話してどんどん上達してくださいね!


