
独学で英会話をマスターしようとしているあなたは大変な野心家であることは間違いないですし、そのエネルギーとやる気は何物にも代えがたい宝物です。独学のみで英会話マスターを目指す人は多数派ではないと想像しますが、以下のような条件や環境をご自身に照らしてみて合致するようであれば、独学での英会話マスターは現実的だと思います。
セルフチェックもかねてぜひご一読ください。
1. 独学で英会話力をアップするために
1.1 独学を支える要素
英語が街中で話されていないこの日本において独学で英会話をマスターしようと考えるあなたは、①英会話習得に対して不退転の決意を持っている、②英会話習得にかけるお金と(学校などに通う)時間が無駄だと考えている、③自己学習の成功体験が豊富にある、のいずれか、または複数の要素をお持ちなのではないでしょうか。
実際のところ、この3つがあればあるほど独学での成功が期待されます。筆者は24時間365日が子育ての専業主婦生活から抜け出して社会人に復帰すべく、英語をやり直しTESOL(英語教授法)の修士まで進みましたが、①②③とすべてが高いレベルで揃っていたからこそ達成できたと思っています。
1.2 計画性
スクールに通ったり個人の先生について習ったりする場合には(アプリのデザインもですが)学習者のレベルと目的を踏まえたシラバス(学習計画)に基づいてレッスンが行われます。独学においてはそのシラバスを自分で作成する必要があります。
あるいは、非常に明確なマイルストーン(資格試験などは分かりやすいマイルストーンです)を設定してそれをクリアしていくなど、独学で陥りがちな「場当たり的学習」を回避するシステム、またはルール作りをすると学習を継続しやすいでしょう。計画性はなくとも①のパッションで全てを乗り越えられるという人も稀にいますが、自分のモチベーション維持のためにも基本計画は必要です。
1.3 客観性とフィードバックの受容力
独学で不足しがちなのが他者からのフィードバックと自分を客観的に観察するメタ認知の機会です。独学する場合はそこを意識し、自分の発話を録音する、ネイティブの音と客観的に比較する、AIなどの辛めの診断を受ける、たまに短期で英会話学校のクラスを取るなど、積極的に現状把握や軌道修正の必要性などについてフィードバックを受けるようにしましょう。
筆者は独学中、半年一人で一日最低3時間勉強し、半年に一度通訳学校のクラスを取って自分の学習の進捗を確認していました。また独学中であってもたまに外部のグループに参加することは、同じ目的に向かって努力している人たちと知り合ったり、情報交換したりできるため、非常に有意義です。
2. 独学のメリット・デメリット
2.1 メリット
2.1.1 場所・時間を問わずに自分のペースで学べる
1.1の②がこれに当たります。独学のメリットはほとんどの条件が学習者の自由になるということです。私たちは常に「今目の前で起こっていること」に優先的に対処してしまうため、気が付いたら学習のための時間が残っていないことも少なくありません。
時間は自分で作るもの、というポリシーを徹底できれば独学のメリットである「いつでもどこでもマイペース」で学習を進めることができるでしょう。
2.1.2 費用を抑えられる
こちらも1.1の②に当たります。誰かに背中を押してもらいまくって英会話をマスターしようとすればそれなりの金額がかかります。プロの丁寧な指導を受けることができればもちろん効率的に学べますが、少し回り道することも楽しめるのであれば独学は圧倒的にコストがかかりません。同時に成功の確率もやや下がるかもしれませんが、そこは情熱とパワーで乗り切っていきましょう。
2.2 デメリット
2.2.1 モチベーションの維持が比較的難しい
英会話学校に通ったりプロの先生について学んだりしてもモチベーションの維持に苦労する人は多いため、一概に独学だからモチベーションが下がりやすいとは言い切れません。ここはやはり1.1の①で説明したコミットメントがどれだけあるかが大きな要素になってきます。その上で、会話を学ぶという性質上、一人で学習するというスタイル自体がややネガティブに働くという事実はあるでしょう。
2.2.2 コストをかけた痛みがない
2.1.2で述べた費用面でのメリットは逆から見ると「お金をかけていない、自己投資をしていない」ために学習を簡単に投げ出せてしまうデメリットにもなり得ます。人間は一般的に自分が時間やお金をかけたものを好きになり、それを維持しようという気持ちが生まれる傾向にあります。そういった意味ではコストだけを考えて独学を選んだ場合、お財布への痛みが無い分、たやすく手放せると言えるかもしれません。
3. 独学のよくある失敗
3.1 自分の独学力を知らない
皆さんは自分の独学力がどれほどあるのかについて考えたことはあるでしょうか。1.1の③に当たる厳しい受験を何度も乗り越えて成功体験を持った人などは、基本的な学力に加えて「自分で学ぶ力」「自分にとって学びやすい方法」などを習得している場合が多く、こういった経験やスキルがすでにある場合は独学でも成功率が高くなります。
反対に今まであまり勉強してこなかったけれども一念発起してやってみたい、という方は独学を始める前に英語の「学習方法」について指導してもらうと良いかもしれません。言語の学習方法についてはさまざまな確立したメソッドがあり、その中から自分に向いていそうな学習方法を取り入れることで独学の成功率がより高くなるでしょう。
3.2 情熱とエネルギーが尽きる
独学を始めた当初は溢れるほどの希望と情熱があったとしても、途中で程よくエネルギーを補給してあげないと尻すぼみになってしまいがちです。まずは毎日の小さな目標を設定し、それを達成していくことで自分を肯定し、追加のエネルギーをあげるということを繰り返していきましょう。
また、大きな希望と情熱があるうちに短期(3~6か月)でしっかりした結果を出せるように現実味のある目標を設定しましょう。エネルギーが枯渇しないように自分で自分のエネルギー管理をすることが独学を続けるコツです。海外旅行に行って実際に学んだ表現を使うことなども良いエネルギー補給になるでしょう。
3.3 時間が取れない
本気で独学で英会話力を上げたいのであれば、自分が今まで時間を使ってきた何か大事なものを、短期間でも良いので諦め、その時間を英語学習に使いましょう。今まで通りでも十分に忙しいスケジュールの中にさらに英語学習を加えようとするとそれだけで継続は難しくなります。今まで友人と過ごしたり趣味に使ったりしていた時間、そんな大切な時間を短期間でも削って時間を捻出しましょう。
筆者は独学中、子育てと家事に必要な時間以外は全て諦めました。ママ友とのお付き合いは極力避け、仲の良い友人にはなぜそうしているのか説明しました。本当の友人は協力してくれますし、時間が出来た時にたまに一緒に過ごせる喜びはひときわ大きかったです。
そしてそんな貴重な時間を英語に費やしていると思うと全く手を抜けませんでした。さっさと上達してもっと友人と会いたいと思っていました。何か大事なものを諦めることは大きなエネルギーを作り出すということを学びました。
4. まとめ
今回は具体的な独学の方法というよりは見落とされがちなそれ以前の環境づくりなどに焦点を当ててお伝えしました。実際のところ、学習素材の選択や学習方法などよりもずっと大事なのは、独学を進めるうえでの心構えや環境が整っているか、または整っていない環境を変えるほどのやる気があるかということだと思います。
自分を振り返る意味でもぜひ活用してください。


