
「英語を話せるようになりたい!」と思っても、今のご自身のレベルからどのようにトレーニングをスタートし、何を使って、毎日どれくらい時間をかければ目標とする力が得られるのか、漠然としてしまって着手できていない、という方が多いのではないでしょうか。この記事では、そんな迷える皆さんのために手近な素材でできる具体的なスピーキング学習のコツをお伝えします。
1. 英語を話せるようになるための3つのポイント
1.1 英語学習の目的を明確にする
英語学習といってもその目的はさまざまです。試験対策、ビジネス、留学、観光、国際交流、など、それぞれに必要かつふさわしい語彙、構文、言い回しがあります。「英語を話せるようになりたい」という場合、その目的を明確にしたほうが目標の達成はより速く、またモチベーションも続きやすいでしょう。まずは「英語をペラペラ話している自分」を具体的にイメージしてみましょう。そのイメージをしっかり持って学習の第一歩を前に進めれば、具体的なゴールを感じながら学習していけるのではないでしょうか。
1.2 英語を話せるようになるまでの一般的な期間
ゼロベースから始めてトレーニングした場合、ビジネス英語をある程度(CEFR B2レベル以上)話せるようになるためには2,200時間程度が必要と言われています。リンクにあるサイトを確認していただくと、「英語話者が日本語をゼロベースから始めてCEFR B2/C1レベルに達するには88週、およそ2,200時間かかる」というリサーチ結果を見ることができます。逆もほぼ同じくらいかかると考えられます。
2,200時間とは、毎日2時間欠かさず発話練習を重ねておよそ3年、毎日3時間ならば約2年です。これを短いと思うか、長いと思うかは意見が分かれるところかもしれません。これはゼロベースから考えた時間ですので、読者の皆さんの中にはすでに1,000時間程度の学習を積み重ねているという方もいるでしょう。個人差はありますが、正しい方向に努力すれば2~3年ほどでビジネス英語が話せるようになるというのは決して悪くないと思います。「学校で10年も英語を勉強したのに話せない」という方は、その時間の中で「正しい発話練習」にどれほど時間を割いてきたのか、を振り返ってみましょう。
2. 英語を話すために必要なスキル
2.1 語彙力の向上
もしあなたが、言葉が全く通じない状況で、周りの人たちと意思の疎通をするとしたら、最も大事なものは何でしょうか。もちろん、笑顔やジェスチャーなど言語外の要素もたくさん必要ですが、やはりある程度の語彙がなければコミュニケーションを成立させるのがとても難しいと気づくでしょう。
しかし、どのようなタイプの語彙をどのレベルまで?というのはその人の英語学習の目的によっても変わります。文法などのルールの学習には一定の目途を立てやすいですが、語彙の学習に終わりはありません。自分が半分以上は理解できているレベルの語彙本から始め、継続して学習を進めてください。背伸びをした語彙本を使うのは継続が難しくお薦めできません。今は使いやすいアプリなどもたくさんあります。ぜひ自分に合った方法を見つけましょう。
2.2 リスニング力の強化
話せるだけでは一方通行のコミュニケーションになってしまいます。優れた話者は優れた聞き手でもあります。相手が何を求めているかが分かれば、こちらの対応にもゆとりが生まれます。しかし、もし相手の話していることが分からなければ、たとえ英語が話せてもどう対応すればよいか分かりませんね。リスニング力を上げるためにはディクテーションが最も効果的です。「やったことがある」という方も多いと思いますが、十分に聞き込む前に答えを見て「聞けたつもり」になっていないでしょうか。
最も効果が出るディクテーション方法は、同じ音声を「これ以上は聞き取れない」というところまで徹底的に聞き、また一晩おいて聞き直す、などしてみることです。答えが分からないとは素晴らしいことで、最終的に大きな気づきがあるでしょう。また、聞き取れないところはあなたの「音的」「語彙的」「文法的」弱点です。ディクテーションはご自分の弱点を把握し、それを克服する最も効率的な方法のひとつです。
2.3 スピーキング力を伸ばす方法
発話は相手に理解してもらえないと意味がありません。ネイティブのような発音でなくても、誤解されない程度の正しい発音と正しい語順が必要です。自分のレベルと目的に合った素材を使い、まずは「音声を聞いてそのままマネする」リピーティングから始めましょう。それがスラスラとできるようになったら、和文を見て英文を言う練習に進みましょう。
その際、モデルの音声をイントネーションも含めてなるべく真似することを心がけてください。また、ご自分が「こんな場面でこう話したい」と具体的にイメージできるものがあれば、AIなどを使ってロールプレイのセリフを作り、一人二役、気持ちを込めて会話の練習をしてみるのも良いでしょう。
3. 効率的な3つの英語勉強法
3.1 発音練習を取り入れる
相手に誤解されない、相手にストレスを与えない発音を身に付けることは、外国語話者としての大きなアドバンテージです。日本人は子音の発音ばかりを気にしがち(もちろん子音は大事)ですが、母音の長短に対する意識が低かったり、英語特有の母音を使い分けられなかったりすることで、発話全体が不明瞭になっている人も少なくありません。発音は自己流ではなく、正確に指導できる先生についてマスターしてしまうのが早道です。
3.2 中学校レベルの文法を復習する
皆さんもご存じの通り、書き言葉よりも話し言葉の方が構文はシンプルであることが多いです。まず中学レベルの文法、特に語順(平叙文、疑問文)を復習し、正しく発話できるように徹底すれば、一気に「話せる」印象になります。その上で、徐々に時制、態、修飾を加え、少しずつ複雑な文もコントロールできるようになると良いでしょう。
3.3 リスニングとリーディングの練習をする
スピーキング力を伸ばすためには話す練習だけをしていれば良いと思われがちですが、人間の能力は複雑に絡み合っており、言語についても一つのスキルだけを練習するのではなく、他のスキルもトレーニングすることで語学の総合力が上がり、それによって目標のスキルが恩恵を受けることも多いです。
スピーキングはアウトプットの練習なので、リスニングやリーディングといったインプットのスキルも最終的にアウトプットのトレーニングまで落とし込んで活用すると良いでしょう。
リスニングであれば「聞く→話す」で、聞いた内容を英語で要約する、聞いた文をリピートする、等。リーディングであれば「読む→話す」で、読んだ内容を英語で要約する、音読をする、等です。
4. まとめ
この記事では「スピーキング上達」を目指す皆さんに、「目標を明確に設定し、自分のレベルに合った素材で、一日2~3時間の練習を続ければ、2~3年後にはCEFR B2/C1レベルまで上達できます」という具体的なお話をしました。どれほど英語が上手な人にも学習スタートの最初の日がありました。まずは一歩を踏み出し、少しずつ継続していきませんか?日本には英語をCEFR B2/C1レベルで話せる人がもっともっと必要です。ぜひその一人になってください。


