
英語のライティングは、初心者にとってハードルが高いスキルです。文法や単語は勉強していても、いざ英語で書こうとすると、どう表現したらいいか思いつかなかったりすることがあります。そこで本記事では、英語初心者がライティング力を効果的に伸ばすための学習法と、実践の際に意識すべきポイントをわかりやすく解説します。
1. 英語ライティングができない原因は?
1.1 文法や表現の知識が足りない
英語で文章を書くためには、まず基本的な文法の知識が欠かせません。読んで理解できるだけでなく、自分で正しく使いこなせるレベルまで定着させる必要があります。さらに、自然で伝わりやすい英文を書くには、定型表現の習得も重要です。英語を単語単位で捉えていると、書くのに時間がかかったり、不自然な文になったりしがちです。こうした課題を解消するには、すぐに活用できる定型フレーズの知識を身につけることが大切です。
1.2 ライティングの練習量が足りていない
読む・聞くといった受動的な英語スキルを磨いても、書くという能動スキルは別途練習が必要です。読んだり聞いたりしたときには理解できる英文でも、実際に一から書こうとすると、語順がわからなかったり表現が思い出せなかったりすることがあります。まずは簡単な文からで構わないので、自分の手で英文を書く習慣を身につけましょう。
1.3 フィードバックしてもらえる機会がない
英語でメールなどを日常的に書いていても、書きっぱなしでは上達しません。相手に誤解されたり、うまく伝わらなかったりした場合は、表現を見直し、より伝わりやすい形に書き直す必要があります。こうしたフィードバックを得られる環境がない場合は、添削サービスやAIを利用して修正案をもらいましょう。いずれにせよ、自分が書いた英文に対して「より正確で適切な文はこれだ」というフィードバックを受け取り、それをもとに修正を加えるルーティンを持つことが大切です。
2. 初心者向け英語ライティングの勉強法
2.1 文法や表現について学ぶ
英語初心者であれば、ライティングに取り組む前に、まず単語はもちろんですが、基本的な文法や表現の知識を確認しておくことをおすすめします。教材は、文単位の例文が豊富に収録されているものが効果的です。それらの文を「自分で書けるか」という視点で確認し、不足している知識を補いましょう。文法や語彙の教材でも、解説が長すぎるものや、単語だけを羅列したリスト形式のものは、ライティングの習得にはあまり適していません。
2.2 音読筆写
ライティングの学習においても、音読は有効です。語順や意味のつながりを意識しながらゆっくり音読することで、知識の自動化につながります。さらに、音読しながら書き写す「音読筆写」は、知識を定着させる練習法としておすすめです。この練習をするときは、きれいに書くことよりも、手を動かしつつ声に出して表現を吸収することを重視しましょう。
2.3 日本語から英語への翻訳練習
日本語の文を英語に訳す練習は、ライティング力を本格的に鍛える方法です。ライティング用教材の日本語訳を利用してもよいですし、自分の学習目的に合ったジャンルの素材を使っても構いません。ただし、この練習では、日本語で書かれていることをそのまま英語に置き換えようとしないことが重要です。日本語と英語の発想には根本的な違いが多く、直訳では不自然になることが少なくありません。元の日本語のメッセージを十分に理解し、英語として自然な表現に変換しながら英訳するようにしましょう。
3. 英語のライティングをする上での注意点
3.1 全体の構成を考える
英文を書く前に、まず全体の構成を考えましょう。その際は、英語の論理展開に沿うことが大切です。代表的な構成の一つにPREP法があります。PREPはPoint(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論)の頭文字で、この順に情報を並べることで、読み手にとってわかりやすい文章になります。トピックを導入するイントロを加えても構いませんが、できるだけ早い段階で結論を提示することを忘れないようにしましょう。
3.2 つながりとまとまりを意識する
伝わりやすい英文を書くためのコツは、文章全体のつながりとまとまりを維持することです。ここでいう「つながり」とは、文と文の論理的な接続を指します。先述のPREPのように、結論を述べたら、その後に理由、さらに具体例という流れが英語では明確に想定されています。この構造に沿って書くことが大切です。「まとまり」とは、段落ごとの意味的な一貫性のことです。1つの段落には1つのテーマという原則を守り、それに沿って段落を構成しましょう。
3.3 シンプルな表現で書く
英文を書く際は、さまざまな表現が可能ですが、まずはシンプルさを優先しましょう。ライティングの目的は、自分の意図を正確に理解してもらうことです。そのためには、複雑で高度な表現よりも、読みやすく平易な表現のほうが適しています。専門用語や技術的な語彙は必要に応じて使って構いませんが、不必要に長い文や複雑な構文はできるだけ避けることが大切です。
4. まとめ
英文ライティングは、練習を重ねるほど確実に上達します。最初は思うように書けなくても、続けるうちに表現が自然に使えるようになり、自信もついてきます。大切なのは、完璧を目指すことよりも、一歩ずつ課題をクリアしていくことです。日々の英語学習に、少しずつでも書く時間を取り入れてみませんか。



