ビジネス英会話を短期集中して最短で習得するための勉強法

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受験や資格試験を通じて英語を学んできた方の中には、今後はビジネスの現場でも通用する実践的な英語力を身につけたいと考える方が少なくありません。筆者の指導する多くの社会人の方々も、同じ課題意識を持っています。 ビジネス英語の学習法は、基本となるリスニングやスピーキングのトレーニング方法については大きな違いはありません。しかし、会議やプレゼンテーション等で用いる​専門的な語彙や表現​、そして学生時代のようなカジュアル英語ではなく、​社会人にふさわしいフォーマルな言い回し​を習得することも重要です。また、待ったなしの会話や会議についていける​語学処理スピード​も要求されます。本記事では、忙しいビジネスパーソンが限られた時間の中で効率的に、そして最短で成果につなげられる英語学習法をご紹介します。

1. ビジネス英会話の勉強を始める前に

1.1 ビジネス英会話のための必要なスキルを明確にする

ご自身が想定するビジネス英会話はどのような場面で必要なものでしょうか。上司や同僚が外国人で、日常的に報告・説明・問い合わせを英語で行う必要があるのか、それとも海外出張や学会など特別な場面でのみ英語を使うのか。使用頻度や緊急度によっても求められるスキルは大きく変わります。業務内容が資料作成やEメール中心なのか、会議やプレゼンでの「聞く・話す」が求められるのか、あるいは4技能すべて必要なのかを把握することが重要です。
そのうえで、​現状のスキルがどこまで業務に対応できているか、何が足りないのかを明確にしましょう​。筆者の生徒の多くは、語彙力や文法力不足による理解力・表現力の弱さ、英語音声の知識不足やリスニング時間の不足による聞き取り力の弱さといった課題を抱えています。こうした点を自覚することが、学習の第一歩となります。

1.2 学習内容とスケジュールの設定

必要なスキルを明確にしたら、いつまでにどのレベルを目指すのかゴールを設定し、計画を立てましょう。​忙しい中で継続するには、日々の生活から学習時間を具体的に割り出し、計画的に取り組むことが大切​です。
特に最初の3か月は学習習慣を定着させるために集中的に行い、優先度の低いことをあきらめる覚悟も必要です。筆者自身もアメリカで転職した際、日常的に英語を使いながら週1回はネイティブの英語講師と会い、自分が作成した英文資料を見てもらい、改善のフィードバックを受けました。間違いを指摘してもらうことや、改善のフィードバックをもらうことは、アウトプット力向上に欠かせません。​短期間で成果を出すには、自己学習に加え、レッスンや専門家レビューの機会を定期的に設ける​ことをおすすめします。

2. 最短でビジネス英会話を習得するための具体的な勉強ステップ

2.1 アウトプットを重視して勉強する

2.1.1 ビジネスの素材を使ったリスニング&スピーキングのトレーニング

英語を上達させたいなら、​インプットだけでなく「口に出す練習」​を意識しましょう。​ディクテーション(書き取り)、リピート、シャドーイングといった定評ある学習法​はとても効果的です。その際、日常会話ではなく、実際のビジネスで役立つ素材を選びましょう。例えば、英語会議での意見表明、交渉での合意形成、プレゼンの冒頭や締めの表現集などはすぐに活用できます。業界に近い教材や表現集を選び、スラスラ言えるまで繰り返し声に出して練習しましょう。まずはディクテーションで聞き取れるかを確認し、その後リピートやシャドーイングに取り組むと理解が深まります。目標は​「速い英語も聞き返さず理解できる耳」と「意味のまとまりごとに流暢に話せる口」を身につける​ことです。

ディクテーションのやり方についてはこちらの記事でご紹介しています。

2.1.2 フォーマルな英作文の書き方を練習する

ビジネスで活躍するためには、会話力だけでなくライティング力も欠かせません。特にビジネスメールには日本語と同じように一定のルールやマナーがあり、曖昧な知識のままでは誤解を招くこともあります。丁寧表現も、pleaseや助動詞をなんとなく使っているだけでは十分に伝わらないことがあります。​ライティングはスピーキングの土台となるスキルでもあり、時間をかけて練習できる分、正確さを意識して取り組むべき分野​です。
近年はAI翻訳に頼る人も増えていますが、基本的なフォーマットや丁寧表現、相手や状況に応じた使い分けを自分で理解しておくことが不可欠です。​書籍などで体系的に知識を学び、自分で書く経験を積むことが、安心して発信できる力につながります​。そのうえでAIはあくまで確認や補助に用いるのが効果的です。こうした姿勢が、真の英語力向上と国際的なビジネスシーンでの自信あるコミュニケーションにつながります。

2.2 フィードバックしてもらう

2.2.1 ネイティブスピーカーやAIからフィードバックしてもらう

重要な提案資料、Eメール、プレゼンなどの英語は、可能な限り、事前にネイティブスピーカーにレビューをしてもらうことが非常に重要です​。このプロセスを繰り返すことで、自身が間違えやすいポイントにも気づき、弱点が改善されていくという効果もあります。身近にネイティブスピーカーがいない場合は、DeepL Write やGrammarlyなどのAIツールにチェックしてもらいましょう。
ただし、AIが出してきた文をそのままコピー&ペーストで使用するのは危険です。修正された箇所について、どうして修正されたのかを理解すること、そして、最終的にご自身の意図が本当に反映されているかを確認したうえで、仕上げることが重要です。 AIが誤解して過剰に修正がかかり、意味が変わってしまった文章をよく目にします。それを見抜ける文法力や語彙力を磨く努力も欠かせません。

2.2.2 同僚や友人から自分の業務を考慮したフィードバックをしてもらう

自分では「英語としては完璧だ」と思っても、最終的な仕上げには、同じ業務に携わる上司や同僚からの意見が欠かせません。業界やビジネスの流れを理解している人にチェックしてもらうことで、言葉だけでなく、コンテンツ面での妥当性も再確認できます。ステークホルダーの視点を踏まえたこの最後のひと手間が、アウトプットの完成度を大きく高めます。

3. 実務で差がつく!ビジネス英会話のパーソナライズ勉強法

3.1 実務で使う語彙とフレーズを効率的に習得する

英語力を効率よく伸ばすには、業務で頻出する語彙やフレーズを重点的に学ぶことが近道です。例えば、会議では「意見を述べる」「合意を確認する」、プレゼンでは「導入」「まとめ」といった場面で使われる定番表現があります。これらをメモやExcelに書き出し、シーン別・機能別に整理すると使いやすいリストになります。 例:
・会議|意見を述べる:I’d like to point out…(…を指摘したいと思います。)
・会議|合意を確認する:So, we are all on the same page, right?(では、皆さん同じ考えということでよろしいですか?)
・プレゼン|導入:Today, I’d like to share…(本日お話したいことは…)
・プレゼン|まとめ:In conclusion, what I’d like to emphasize is…(つまり、私が強調したいのは…)

さらに、​自分の業界特有の用語や言い回しをリストに追加し、実際の業務シーンを想定して声に出して練習​しましょう。幅広い単語を無理に覚えるよりも、すぐに使える表現を確実に身につけることが、成果に直結します。

3.2 AI活用でリアルな会議・プレゼンのカスタマイズ練習

近年はAI音声生成ツールを活用することで、実際の会議やプレゼンを模した練習が可能になっています。自分で作成したスクリプトをAIに読み上げさせ、相手の発言として聞き取ったり、リピートやシャドーイングの素材として活用したりすると効果的です。最近のAIの読み上げは非常に自然で質も高いため、ネイティブのお手本として、録音した自分のスピーチと発音や抑揚を比較する方法もおすすめです。さらに会議シナリオを入力すれば、質疑応答のシミュレーションもでき、本番での応用力が高まります。AIは24時間使える練習相手。繰り返し、自分に必要な状況に合わせてカスタマイズしながらアウトプット力を磨けます。

4. まとめ

ビジネス英語で成果を上げるには、試験勉強の延長ではなく、実務に直結する英語運用力を効率的に磨くことが大切です。専門的な語彙やフォーマルな表現、即応できるスピード感を意識し、インプットとアウトプットを組み合わせたトレーニングを計画的に進めましょう。本記事では、ネイティブや同僚からのフィードバック、AIの効果的な活用方法についてもお伝えしました。
本記事の方法を参考に、まずは自分に合った学習計画を立て、毎日続けられる一歩を踏み出してください。そうした積み重ねが、プロフェッショナルとして自信を持ち、堂々と英語を使える力につながります。

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執筆・監修

Q-Leap株式会社

Q-Leapは2014年創業のビジネス英語研修・研修コンサルティング・金融翻訳サービスなどを提供する会社。現社長愛場吉子と前社長浅場眞紀子が「日本のビジネスパーソンの英語力向上」をミッションに掲げてスタートした。以来、エクゼクティブ向けのプライベートレッスン、企業研修、大手インターネットサービス事業会社の社内公用語英語化のスピーキング研修提供、リクルートスタディサプリ制作への参画に加え、書籍の執筆・出版など多くの英語関連事業に携わってきた。またQ-Leapの専任講師、パートナー講師は、TESOL(英語教授法)修士を含めバイリンガルの経験豊富な人材で構成される。
主な書籍:「シーンで学ぶビジネス英語の基本」(アスク出版)、「話す英語」(アルク出版)、「話せる英語ドリル300文」(アルク)等多数。

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