
「何回も繰り返して聞くけれど、何を言っているのかわからない」、「遅めの速度で聞いてもやっぱりわからない」のに、スクリプト(原稿)を確かめてみると知っている単語ばかり!「どうして聞き取れないの?」と途方に暮れてしまうあなたは、発音を磨くことでリスニングが楽になる可能性が大です。
この記事では、発音への意識を高めることによって、聞き取れないストレスを減らすための勉強方法をご紹介します。
1. TOEICにおける発音理解の重要性
1.1 発音の理解がリスニングに与える影響
誰でも多かれ少なかれ、発音やリスニングの際には母語の影響を受けます。例えば、full(いっぱいの)は「フル」と聞こえる、と思っていませんか?実際には「フォウ」に近く聞こえることが多くあります。まずは思い込み発音を頭の中から消去し、実際の聞こえ方を覚え直しましょう。
また、英語には単語の最後の子音が次に続く単語の最初の母音とつながる「リンキング」や、語末や語中で「消える音」など、日本語にはない音声変化があります。こうした、母語にない音声ルールの知識があれば、格段に英語が聞こえやすくなります。
1.2 TOEICスコアへの影響
TOEIC® L&R TESTのリスニングセクションでは100問もの問題が出題されます。聞き取れなければ反応できない(正答できない)ので、基本的な「音」の知識は絶対に必要です。リスニングセクションでは、単語1つが独立して使われることは少なく、数語以上のかたまりで聞こえます。
したがって、「正解できたらそれでOK」からもう一歩踏み込んで、スクリプトを見ながら句や節単位での聞こえ方を注意深く確かめることがスコアアップへとつながります。
またTOEICではアメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリア、4種類の発音が使われます。発音の違いを面倒に思わず、興味を持って受け入れていきたいものです。
2. 発音理解のメリット
2.1 リスニング力がアップする
英語ネイティブは他の国の英語ネイティブが話す英語もごく普通に理解することができます。国によって発音に違いはあるにせよ、基本的な部分が同じだからです。TOEICを通じて、世界中の代表的な4種類の英語の発音に注意を向け慣れることによって、どこの国の英語も「ドンと来い!」なリスニング力を身につけることができるでしょう。
3. 効果的な英語の発音勉強法、リスニング力アップへの道
3.1 発音記号の理解
発音記号が読めるようになると、発音を正確につかめるだけでなく、発音に関する理解が深まります。難しそうに思える発音記号ですが、ローマ字読みすればよいものもたくさんあります。
新たに覚える必要のあるものは多く見積もっても15個くらいなので、その気になれば1時間ほどで覚えられそうですね。YouTubeで発音記号関連の動画を探して見てみるのもよい方法です。
また、すでに知っている英単語の発音記号をスマホやオンライン辞書で調べてみると意外な驚きがありますよ。ちなみに、例えば/ð/が「上の歯の先に舌先を軽く当てて出す音でthのつづりのときに使われる」と覚えたら、that、they、thereなどを読むたびに必ず正しい音の出し方をすることが何よりも大切です。
また「日本人は不得意だ」と言われることが多い/r/と/l/の発音ですが、発音するのは決して難しくはありません。単語中にrの文字があれば/r/の発音を、lの文字があれば/l/の発音をすることを自分に課しましょう。
3.2 音読トレーニングの具体的なやり方
必ずスクリプトと日本語訳のある音声を素材として選んでください。まずは通して聞いた後、「1文流して止め、真似をしながら音読する」ことがスラスラできるようになるまで練習しましょう。その際には日本語訳も一緒に意識することを忘れずに。
その後「音声を流しながら0.5秒程遅れて音読(シャドーイング)する」のもよいのですが、オーバーラッピングもお勧めです。これは「音声(速度を落としてもよい)と自分の声がピッタリ合うように音読する」練習法です。明らかに発音が違ったり、リズムが違ったりすると自分が気づきやすい、という大きな長所があります。
音読練習は面倒だという人も多いようですが、「ここが言いにくいな、次こそはピッタリ合わせよう」とゲーム感覚で取り組むことで、あっさりと数十回の音読ができたりします。
3.3 音声を聞き直す
ここまで音読の練習をしたら、仕上げとしてスクリプトを見ずに音声をもう一度聞いてみましょう。ほぼ聞き取れるようになっているかと思います。さらに頭の中に日本語字幕が流れるようであれば完璧です。発音にこだわりながらの音読練習と、仕上げ音声のリスニングは、1日10分でいいので3カ月続けると、発音力もリスニング力も格段に向上するはずです。
3.4 音読音声を録音する
自分の発音が良くなっているのかを実際にチェックするために、1週間に1回程度は自分の音読音声をスマホなどに録音しておくことをお勧めします。自分の録音音声を聞くことに抵抗のある方も多いと思うので、録音しておいて3カ月後に聞いてみるのも1つの方法です。
3カ月前の自分の発音を聞くと、いつのまにか発音がうまくなっている事実に気付くことでしょう。あるいは、録音したら毎回聞くという一種のショック療法(?)を行うのも有効です。素材音声と自分の音読との違いを分析して、さらなる発音力アップを目指しましょう。
4. まとめ
英語の4技能・L(聞く)R(読む)S(話す)W(書く)はそれぞれが複雑に関わり合ってあなたの英語力を形作っています。とりわけLとS 、RとWのつながりは強いとされており、リスニング力強化のためにスピーキング力(発音力)を磨くことは理にかなっていると言えます。
発音もリスニング力も急激に上達するものではないとしても「少しずつ発音が変わっていく自分」「だんだん聞けるようになる自分」をぜひ楽しみましょう。


