
TOEIC® L&R TESTのリスニングセクションで思うようにスコアが伸びないという悩みを抱える受験者は少なくありません。本記事では、リスニングセクションの各パートの特徴を整理し、よくあるつまずきの原因と効果的な勉強法を詳しく解説します。
1. TOEIC リスニングの問題形式
1.1 Part 1:写真描写問題
リスニングセクションの最初に出題されるPart 1は、写真描写問題です。写真1枚に対して4つの文が読み上げられ、その中から写真を正しく描写している文を選びます。文は短く、音声も比較的ゆっくりしているので、聞き取りの負荷はそれほど高くありません。問題数は6問です。
1.2 Part 2:応答問題
Part 2では、1人目の発言(問いかけ)に対して適切な応答を3つの選択肢から選びます。問題用紙には何も書かれておらず、音だけで解答するパートなので、集中力が求められます。問いかけに対して間接的に答えるタイプの応答もあるため、難易度は決して低くありません。問題数は25問です。
1.3 Part 3:会話問題
Part 3は、2人または3人の会話を聞いて、3つの設問に答える形式です。各設問、4つの選択肢の中から適切なものを選びます。会話の長さは2〜4往復程度です。設問は、会話の概要に関するもの1問と、詳細に関するもの2問というセットが一般的です。詳細に関する問題の中には、発言の意図を問うものや、図表を読み取って会話の内容とかけ合わせて解く問題も出題されます。
1.4 Part 4:説明文問題
Part 4では、1人の話し手による説明を聞き、3つの設問に答えます。各設問、4つの選択肢の中から適切なものを選びます。話し手が1人であることを除き、形式はPart 3とほぼ同じですが、語彙や表現のレベルがやや高めになります。出題されるトークタイプとしては、電話メッセージと会議の抜粋が最も頻出です。
2. なぜTOEICのリスニングが聞き取れないのか?
2.1 語彙や文法の知識が不十分
英語の発音を聞き取ることはできても、意味が分からなければ正答にはつながりません。リスニングセクションで要求される語彙や文法は、リーディングセクションに比べると難しくはありませんが、中学レベルの基礎に加えて、ビジネスでよく使われる表現や語句は習得しておく必要があります。
2.2 英語の音に慣れていない
「文字で読めば理解できるのに、音で聞くと理解できない」というのは、多くの学習者に共通する悩みです。これは英語の発音を正しく認識できていないことが原因です。特に、カタカナ読みで英語を覚えている人は、ネイティブの自然な発音が聞き取れない傾向があります。文字と音のギャップを埋める意識が重要です。
2.3 すべてを完璧に聞き取ろうとしている
ゆっくりとした音声なら理解できるという人でも、リスニングセクションのテンポについていけなければ、スコアには反映されません。特に、Part 3やPart 4では、細部にこだわりすぎると、次に述べられる重要な情報を聞き逃してしまう可能性があります。多くの受験者にとっては、すべてを聞き取ろうとするのではなく、大意をつかむ意識が必要です。
3. 効果的なTOEICリスニング勉強法
3.1 音声を繰り返し聞く
リスニング力の向上には、何より音声を使った反復練習が欠かせません。問題を解いた後、スクリプトと和訳を確認するだけで終わる人もいますが、それでは力はつきません。繰り返し音声を聞き、自分でも音読する習慣をつけましょう。
3.2 ディクテーション
音声を聞いて書き取る練習がディクテーションです。何回聞いても書き取れなかった部分はスクリプトで確認し、自分が思っていた音と実際の音のちがいを分析しましょう。これは時間のかかる練習方法なので、Part 2の短めの音声を素材にすると取り組みやすいでしょう。
3.3 リピーティング
音声を1文ごと、または区切りのいいタイミングでポーズ(一時停止)し、スクリプトを見ながら同じように音読するのがリピーティングです。スクリプトはあくまで補助とし、できるだけ音声を忠実に再現するように音読するのがポイントです。自分の音読を録音して確認すると、さらに効果的です。
3.4 オーバーラッピング・シャドーイング
スクリプトを見ながら音声と同時に音読するのがオーバーラッピングです。遅れずに、かつイントネーションもぴったり合うまで繰り返します。うまくいかない部分は重点的にリハーサルしてから、再度、通しでチャレンジしましょう。
スクリプトを見ずに、音声の少し後から追いかけるように音読するのがシャドーイングです。これは同時通訳の訓練としても使われる負荷が高い練習なので、素材はやさしめのものが適しています。
4. パート別リスニング問題解答のコツ
4.1 Part 1(写真描写問題)のコツ
文は短いので、音を聞き取ることは比較的容易です。ただし、magazine(雑誌)などの具体的な描写だけでなく、reading material(読み物)のような抽象表現も用いられるので、Part 1の頻出語句を学んでおきましょう。
4.2 Part 2(応答問題)のコツ
1人目の発言(問いかけ)の冒頭に特に注目して聞くのがポイントです。WhereやWhoといった疑問詞を聞き逃すと、それ以降をどれだけ聞いても正解することは難しくなります。また、話し手の意図や状況を推測することも求められるため、「話し手はどうしたいのか」、「何を必要としているのか」をイメージするよう心がけましょう。
4.3 Part 3(会話問題)のコツ
重要な情報は音声でも強調されるので、その部分に意識を集中させて聞くことがコツです。英語のイントネーションを意識した音読練習を重ねると、楽に聞き取れる文が増えていきます。また、正解の選択肢は会話中の表現を言い換えた形になっていることが多いため、定番の語句や表現を習得することも必要です。
4.4 Part 4(説明文問題)のコツ
会議の抜粋やイベントの前説のような長めの説明は、冒頭で状況を把握することが重要です。その場にいることを想像しながら聞くと、内容理解がスムーズになり、聞き取るべき情報も自ずと想定できます。TOEICに出るストーリーはリアルなものばかりなので、背景知識を駆使して聞くことも効果的です。
5. まとめ
TOEICのリスニングセクションで高得点を狙うためには、聞く力を鍛えることが最優先です。設問や選択肢の理解も大切ですが、音を聞いて即座に意味を理解できる力がなければ、得点には結びつきません。文字情報に頼らず、耳と口を積極的に使って英語を身体になじませていきましょう。日々のトレーニングの積み重ねは、確実に成果につながります。


