
TOEIC® L&R TESTの勉強、進んでいますか?目標とするスコアや使える時間によっても勉強法は変わりますが、この記事では3ヶ月をひとつの目安として、効果的にスコアアップするための勉強法をご紹介します。もうすぐTOEICの受験を控えている人や、どうやって計画を立てようかとお悩みの方のお役に立てば幸いです。
1. TOEICスコアを上げるための勉強をする前に
1.1 3ヶ月で上がるTOEICスコアの目安
そもそも、3ヶ月という期間でTOEICのスコアはどのくらい上がるものなのでしょうか?以前、別の記事でご紹介したとおり、大まかな目安として、TOEICのスコアを100点上げるためにはおよそ200〜325時間の学習が必要だというデータがあります。この時間を仮に3ヶ月で確保する場合、単純平均で1日あたり約2~3.5時間の勉強が必要になります。このくらいの時間であれば何とか捻出できそう、という人も多いのではないでしょうか。もしそうであれば、3ヶ月でTOEICスコアはおよそ100点くらいアップできる、というのがひとつの目安になると言えるでしょう。
1.2 目標とするTOEICスコア(600点、700点、800点)
TOEICでどのくらいのスコアを目指すかによって、3ヶ月という期間でやることは変わってきます。3ヶ月で100点アップという前提で考えていきましょう。
まず、TOEICで600点を目指す場合ですが、600点というのは日本人の平均スコアに近いレベルです。基礎的な文法の理解や頻出語彙のマスターを中心に対策し、典型的なパターンの問題を落とさないことを目標とするのが基本的なアプローチになります。
700点を目指す方はリーディングセクションの全問着手・解答を目指したいところです。いわゆる「塗り絵」にならないよう時間配分も意識した勉強が必要になります。リスニングはPart 3, Part 4の正答率を意識し始めてもよい頃です。基礎知識を応用できているかどうかがスコアアップの鍵です。
800点を目指すには、徐々に英語を英語のまま理解するトレーニングも取り入れていくことが重要です。また、Part 2やPart 5といった得点源になるパートでは高い正答率が求められるので、日々の勉強でもミスをしないよう気をつける必要があるでしょう。基礎知識があることを前提に、本質的な英語力を伸ばすことも意識するステージです。
2. 3ヶ月でTOEICのスコアをアップさせるための効果的な勉強法
2.1 単語を覚える
どのレベルを目指す場合でも、語彙力の強化は欠かせません。頻出単語や表現を網羅した単語帳を1冊選び、何度も繰り返して学習しましょう。最初からすべてを覚えようとするのではなく、毎日少しずつ英単語に触れていくほうが記憶の定着につながります。また、例文の暗記やアプリの音声を使って耳で覚える練習も有効です。
2.2 文法力をアップさせる
特に初級はTOEICでよく問われる文法項目の総復習をしておくとスコアの伸びがよくなります。特に中学校と高校で習う文法項目は一通り体系的に復習しておきたいところ。その後でTOEIC専用の文法書に取り組むのがおすすめです。あれこれ手を出す必要はなく、自分が理解しやすいと思った1冊を徹底的にマスターしましょう。
2.3 リーディング対策
リーディングではまずPart 6やPart 7のシングルパッセージを使って、内容を正確に理解するところから始めましょう。最初のうちは時間を気にせず、確実に問題に正解できることを目指します。
一方で、TOEICの長文をすべて読み切るためにはある程度の読解スピードが必要になります。慣れてきたら徐々に制限時間を設けて、その中で正答率を上げる訓練をしていくことが必要になってきます。800点以上を目指す方はダブルパッセージやトリプルパッセージのトレーニングも必須。設問を先読みして問題文の中から効率よく情報を見つけ出す練習も積んでおくとよいでしょう。
2.4 リスニング対策
リスニング力を伸ばすには、毎日15~30分の継続的なインプットが有効です。Part 1やPart 2の短めの音声を聞いて、まずは「英語を聞く」という習慣を作ることから始めましょう。慣れてきたらディクテーション(音声の書き取り)やシャドーイング(英語を音声に少し遅れて真似をする)といったアウトプットトレーニングを取り入れることがおすすめです。これらを行うことで、より能動的に英語を聞きにいく能力が養われるだけでなく、音の変化や脱落のパターンがインプットされ、聞き取れる幅が広がります。
3. 3ヶ月間の勉強スケジュール例
3.1 1ヶ月目: 基礎固め
TOEICスコアアップのために3ヶ月あるとしたら、最初の1ヶ月は基礎固めに使うのが定石です。リーディングセクションでは文法知識の底上げを意識し、中学英文法の穴をできるだけ埋めておきます。またビジネス会話や文書でよく出てくる言い回しを確認し、抜けている知識のインプットを中心に学習していきましょう。リスニングセクションでも、会話表現やよくある応答のパターン、人やものに関する描写など、Part 1やPart 2で取りこぼさないための学習もこの時期に行っておきましょう。
3.2 2ヶ月目: 実践力強化
2ヶ月目は公式問題集などを使って実践力を強化するステージに入ります。1ヶ月目にインプットした知識を実際に使えているかをここで確認していきます。目標とするスコアに合わせて重点的に取り組む内容を変えていきましょう。リーディングの問題を解く際には制限時間を設けて練習をし、「Part 6は1つの文書で〇分かかっているが、△分まで縮めよう」といったタイムマネジメントのトレーニングも併せて行うとより効果的です。
3.3 3ヶ月目: TOEIC試験直前対策
3ヶ月目は仕上げとして、模試を活用した対策を行います。できれば週1回を目安に、2時間確保して本番と同じように200問を一気に解いてみるのが最も効果的です。終わった後はすぐに振り返りを行い、間違えた問題の復習をするのも忘れずに。時間配分や問題の難易度を判断し、難しい問題に時間をかけすぎないようにするといった訓練も併せて行うと本番で力を発揮します。
4. 3ヶ月間でTOEICスコアを上げるための勉強のコツ
4.1 日常生活でスキマ時間に英語を勉強する
忙しい日々の中でも、TOEIC対策は「スキマ時間」の活用で大きく前進できます。通勤・通学中には単語帳アプリやリスニング音声を活用し、昼休みにはPart 5の短文問題を1セット解くなど、短時間でも反復することで記憶に定着します。TOEICだけだと飽きてしまうようなら、英語ニュースやPodcastを聞くのもおすすめです。「まとまった時間が取れないからできない」と考えず、5分でも英語に触れることが、長期的な力につながります。
4.2 少しでもいいので毎日継続する
TOEIC対策で何より重要なのは「毎日英語に触れること」です。理想を高く持つのも大事ですが、たとえ10分でも続けることが大切です。学習の間隔が空くと記憶が薄れ、モチベーションも下がりがちになります。そこで、「朝の10分は単語、夜はリスニング音声1つ」といったルーティンを作ると、習慣化しやすくなります。完璧を目指さず、「今日は少しでもやったからOK」と前向きに捉えることが3ヶ月間の継続の秘訣です。
5. まとめ
3ヶ月でできるTOEICスコアアップのための勉強法をご紹介しました。しっかりやれば3ヶ月という短期間でもスコアを伸ばすことは十分に可能です。如何に学習を継続していくかというのが重要なので、完璧を求めすぎず、毎日「今日はこれをやった」と言えることを目指しましょう。



