
「単語を簡単に覚える方法はありませんか?」とよく聞かれます。残念ですがありません。あなたが写真記憶の能力でもあれば可能ですが、多くの人にとって「覚える」ことや「運用力として身につける」ことは「効率よく」はできないものです。タイパを考えるよりも現状把握と目標設定をすることが習得への早道です。是非参考にしてください。
1. 英会話に必要な単語数はどれくらい?
1.1 日常英会話に必要な単語数
「日常生活に必要な単語」といっても年齢層や住むエリアによってその内容は多少変わってきますが、CEFR A2レベル(初級の基本的な会話ができる)ではおよそ1000~2000語が必要とされています。個人差はありますが、日本の高校では卒業時に2500~3000語程度の習得を目指すとされている文科省の英語教育の語彙目標に照らすと、現実はともあれ皆さん高校卒業時には英会話に十分な語彙力が備わっていることになります。
1.2 ビジネス英語に必要な単語数
ビジネス英語に関しては、分野別のボキャブラリーや技術用語など、従事する産業や職種によってもその内容が異なりますが、概ねTOEIC® L&R TESTの700点台から800点台を「ビジネスとしての英語に対応できるレベル」と仮定すると、ボキャブラリーのサイズは700点台で4000~5000語、800点台で6000~8000語になります。それを考えると、大学卒業時(真面目に勉強した人)に期待されるボキャブラリーサイズがTOEIC 700点とほぼ同じであるのも納得のいく印象です。
2. 英会話に必要な単語を効率的に覚えるポイント
2.1 自分が発話するシーンを想定する
英単語を効率的に覚える方法はありません。ただひたすら覚えるだけなのですが、その際に「どのような単語を選ぶか」を決めることで自身のニーズに合わせて効率化することはできます。自分が英語を話している、または話さなくてはならないシーンやそこで扱われるトピックなどをリストアップしてみましょう。そのセレクションに近い語彙本を購入して覚えるのでも良いですし、資格試験などでレベルに合ったものを学習するのでも良いでしょう。
2.2 文字だけでなく音と例文を一緒に覚える
単語を文字だけで覚えようとすると、実際とはズレた発音(勝手にスペルから想像した音)で覚えてしまうことになりがちです。例えばstrength(強み、強さ)を「ストレングス」などと覚えてしまうとカタカナ感が強く伝わりにくくなります。最初に正しい音を耳から聞いてそのまま発話練習するのが理想です。
また、単語は単体で覚えても全く使えるようになりません。高校卒業時点で3000語近く履修していても英会話が自由にできない人が多いのは、文の中でどう使われるのかを理解していないからでしょう。単語を覚えるときには、その品詞と、それが文のどこに入って、どのように使われるのかを理解できるよう例文を中心に学習しましょう。
2.3 例文をアウトプットすることで覚える
覚えるという作業は「インプット」と呼ばれていますが、知識を定着させるためには「アウトプット」の作業を通さなくてはならないというのが、近年の言語学における一般認識です。アウトプットには「話す」「書く」がありますが、筆者は英検1級の準備で一日に30単語(翌日半分忘れていようと、とにかく毎日30単語やりました)覚えていたとき、対象の語彙をノートに書き出し、その横に自分で作った例文、またはテキストからの例文を書き、音声を聞いて繰り返し口頭練習しました。書き出すのも一度ではなく、5~10回ほどひたすら書きました。覚えやすい単語とそうでないものがあるので自分でメリハリをつけます。 この作業は筋トレやワークアウトと同じだと思ってやると丁度いいです。サーキットトレーニングのセット数をこなす感じですね。
3. まとめ
この記事をきっかけにご自分の語彙数を意識して理想のレベルまで語彙を積み上げてくださると嬉しいです。是非テストを受けてみてくださいね。 There’s no royal road to vocabulary building!「ボキャビルに王道なし!」頑張りましょう!


