
英語の資格試験はとてもたくさんあるので、自分がどれを受けたらよいのか迷いますね。ここでは一部の資格試験の概要とその特徴をなるべく簡潔にお伝えしようと思います。記事を読み終わるころに一つでも興味を持てる資格試験が見つかっていると嬉しいです。
1. おすすめの英語資格
1.1 社会人向けのおすすめ資格
1.1.1 TOEIC
社会人へのお薦めの資格として、まず挙げられるのがTOEIC® L&R TESTです。多くの企業が社員や入社候補者の英語力を評価する際に参考として活用しているので知名度も高く、また受験者数も年間200万人前後と多いです。
このテストは合否ではなくスコア(標準偏差)で結果が出るので、集団の中での自分の位置が分かりやすく、少しの英語力の進歩でもスコアに反映されやすいのでモチベーションを維持しやすい、というメリットがあります。
また、市場規模が大きいため、書店でも取り扱いが大きく、テキストや学習素材の選択肢もとても多いです。海外での知名度は高くありませんが、日本で英語力を仕事に生かしていきたいと考える人にはマストな試験と言えるでしょう。以下にTOEIC® L&R TESTの概要がわかる記事のリンクを紹介しておきます。
TOEICとは?どんなテスト?わかりやすく目安の英語レベルや勉強法を解説!
TOEICの点数からわかるあなたの英語レベルは?スコア別の英語力の目安と対策法
TOEICの問題形式は?どんな試験問題が出る?
また、TOEICのウェブサイトもご参照ください。
【参考】https://www.iibc-global.org/toeic.html
1.1.2 英検
英検は日本で最も受験者数の多い英語のテストで、年間400万人以上が受験しています。英検と聞いて「学生向けの試験でしょう?」と思う方も多いと思いますが、近年、社会人(小学生以下~大学生を含まない)の受験数が増えています。
コロナ前の2019年は40万人以下だった社会人受験者が、2023年には64万人を超えています。人気の理由は様々考えられますが、「資格」として級が与えられること、TOEICと違って過去問が公開されており自己学習がしやすい事、また4技能(リーディング、リスニング、スピーキング、ライティング)を全て測定されるので総合的にアプローチができることなどが考えられます。
また、子どもの英検受験をきっかけに自分も学習をスタートした、という親御さんもいらっしゃるようです。
以下に英検の概要がわかる記事のリンクを紹介しておきます。
TOEICと英検をわかりやすく比較!何が違う?あなたはどちらを受けるのがよい?
TOEICと英検を比較!換算するとスコアはどれくらい?
1.1.3 Versant スピーキング&リスニングテスト
Versantは、英語で聞かれた内容を理解し、すぐに応答する、という力に特化したオンライン受験のテストです。スマホひとつあれば受験でき、結果も数分で確認できるという手軽さが人気で、多くの企業が導入しています。TOEIC®L&R TESTのスコアが高くても、海外出張や会議での交渉などに対応できる実践的なコミュニケーション力が保証されるわけではありません。
そのため、TOEICなどと組み合わせてVersantを研修メニューに取り入れている企業も多いようです。テストは全て英語で行われ、およそ20分間に40問の質問に英語で回答する形式です。日本人が特に苦手とするfluency(流暢さ)を改善することがスコアアップの鍵となってきます。
結果は90点満点のスコアで示され、各スコアレンジは英検と同じCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に準拠しているため、英検の級との比較がしやすくなっています。海外出張をこなすビジネスパーソンはCEFR B2以上を求められることが多いので、Versantでは60点以上が目安です。
詳しくはVersantのウェブサイトをご参照ください。
【参考】https://www.versant.jp/index.html
1.2 学生向けのおすすめ資格
1.2.1 GTEC
GTEC(Global Test of English Communication)は日本国内向けのテストで、主に中高生や大学生を対象としています。英語の4技能(リスニング、リーディング、スピーキング、ライティング)を評価する試験で、用途に応じて複数の種類があります。
主な試験形式には、学校での学習評価や大学入試向けの「GTEC Advanced」、高校生・大学生向けの「GTEC Basic」、中学生向けの「GTEC Core」、小学生向けの「GTEC Junior」などがあります。 試験結果はスコア(満点1400点)で示され、CEFRにも対応しています。GTECは国内の学校や企業で英語のコミュニケーション能力を測る試験として広く普及しています。
詳しくはGTECのウェブサイトをご参照ください。
【参考】https://www.benesse.co.jp/gtec/
1.2.2 TOEFL
TOEFL(Test of English as a Foreign Language)は、英語圏、特にアメリカの大学や教育機関への入学要件として広く利用されています。リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能を評価し、大学以上の授業についていける総合的な英語力を試されます。
現在、最も一般的なのはTOEFL iBT(Internet-Based Test)で、インターネットを利用した試験形式が採用されています。スコアは0〜120点の範囲で評価され、アメリカのアイビーリーグをはじめとする一流大学への留学には100点以上が必要な場合が多いです。テスト内容はビジネスではなくアカデミックになります。
詳しくはTOEFLのウェブサイトをご参照ください。
【参考】https://www.toefl-ibt.jp/
1.2.3 IELTS
IELTS(International English Language Testing System)は主にイギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなどの英連邦系の大学入学審査や移民申請で広く利用されています。試験はアカデミック(Academic)とジェネラル・トレーニング(General Training)の2種類があり、目的に応じて選択できます。評価されるのはリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能で、スコアは1.0から9.0のバンドスコアで示されます。スピーキングテストは面接形式で行われるのが特徴です。評価の高い大学への留学には7.0以上のスコアが要求されることが多いです。
詳しくはIELTSのウェブサイトをご参照ください。
【参考】https://www.eiken.or.jp/ielts/
1.3 キャリアに役立つ資格
1.3.1 全国通訳案内士試験
全国通訳案内士試験は英語を必要とする唯一の国家資格です。最近は日本も観光産業を重視しており、海外からの観光客数も年々増加しているため、注目の試験といえます。この試験では日本の観光地や文化を案内する際に必要な知識と語学力が問われます。
試験は筆記試験と口述試験で構成され、筆記では「外国語(英語など)」「日本地理」「日本歴史」「一般常識」「通訳案内の実務」が出題されます。筆記試験合格者は口述試験に進み、外国語での対応力や説明能力が評価されます。
資格取得後は、全国通訳案内士としてインバウンド観光の発展に貢献することが可能ですので人気の資格試験ですが、合格率は平均15%前後と難関です。
詳しくは全国通訳案内士試験のウェブサイトをご参照ください。
【参考】https://www.jnto.go.jp/projects/visitor-support/interpreter-guide-exams/
1.3.2 CELTA
CELTA(Certificate in Teaching English to Speakers of Other Languages)は、ケンブリッジ大学英語検定機構が認定する英語教授法の資格です。英語を母語としない学習者向けの指導スキルを習得するためのプログラムで、世界的にも認知度が高く、英語教師としてのキャリアを目指す人に人気の資格です。コースでは、指導法の理論と実践、授業計画、クラス運営、評価方法などを学びます。大学院で取るTESOL修士(Teaching English to Speakers of Other Languages)と違い、短期間で受講可能で、取得後は英語教育機関での就職に役立ちます。
詳しくはCELTAのウェブサイトをご参照ください。
【参考】https://www.cambridgeenglish.org/teaching-english/teaching-qualifications/celta/
1.3.3 国連英検
国連英検(国際連合公用語英語検定試験)は、日本国際連合協会が実施する英語検定試験です。国際社会で活躍するために必要な英語力を測ることを目的としており、試験は特A級、A級、B級、C級、D級、E級の6段階に分かれています。
特A級は国際機関や外交の現場で活躍する人材を想定した内容となっていますので、将来外務省や国際的な機関で働きたいと考える人には挑戦する価値がある資格試験です。試験には筆記試験と面接試験があり、リスニング、リーディング、ライティング(級によってはスピーキング)の総合的な英語力を評価します。
詳しくは国連英検のウェブサイトをご参照ください。
【参考】http://www.kokureneiken.jp/
2. 英語の資格を取るメリット
英語の資格を取るメリットの最も分かりやすいものは、就職、転職、留学、入学、などの人生の節目にアドバンテージをもって臨めるということです。資格試験に向けた学習を通じて、目指すキャリアや学問の方向に有益な語彙や表現を身につけられる、ということもあります。資格取得のためには集中した学習が必要ですので、合否に関係なく資格取得までの学習の過程にこそ本当の価値があるとも言えるでしょう。
また、日本のように英語が「外国語環境(外に出てもだれも英語を話していない)」にある中で自分の英語力を磨きたい場合、資格取得はモチベーションを維持する手段にもなりますし、同じ目標をもつ仲間との出会いもあるでしょう。筆者自身も、ありとあらゆる英語資格に自己学習で挑戦していた時、モチベーションが下がると資格のための学校に数カ月通ったりしていました。資格のためであれ何であれ、学習を始めようというその気持ちを維持できる環境を自分で自分に用意してあげることが大事です。
3. 資格を選ぶ際のポイント
3.1 受験目的を明確にする
資格試験には様々なタイプのものがあります。結果が合否で出るもの、スコアで出るもの、またその資格取得が特定の仕事に就くために要求されているもの、などです。
自分が資格試験に対して求めているものを明確にして、着実にレベルアップするために活用しましょう。動機は「TOEICで700点取れたらかっこいいな」でも何でも良いのです。
3.2 自分の英語力を客観的に把握する
資格試験に限らず、学習をうまく進めるためには自分を知ることが大事です。自分の弱点を知ってそれを補強する。これを繰り返していくことで自分の頭の中の英語のネットワークがより密になっていきます。
筆者はよく「魚採りの網の目を細かくする」と言っていますが、自分への客観的なフィードバックとその対応を繰り返すことで実力が上がります。資格試験はあなたが自分の英語力を把握するための客観的な情報を提供してくれるでしょう。
4. まとめ
この記事では資格試験の一部だけをご紹介しましたが、ご自身の目的と現在の英語力にふさわしい試験を見つけ、ぜひそれに向かってチャレンジしてみてください。モチベーションを維持し、自律した学習者となるためのスキャホールディング(学習支援)ツールとしても資格試験を活用してみるとよいでしょう。


