
“受動態”と聞いて、「ああ、必要な“部品”はあの2つね」とすぐに思い浮かびますか?関係代名詞の入った英文をサラッと訳せますか?これらは共に中学校で学んだ事項です。そう、決して侮れないのが中学英語。この記事では中学英語とその勉強法について述べていきます。
1. 中学レベルの英語とは?
文部科学省が約10年ごとに改訂する「学習指導要領」に従って教科書が作られるため、年代によって学習内容には若干の差がありますが、ざっくり言うと、文法事項について、ほぼ全てを中学でカバーしています。つまり私たちは中学で英語の「基礎」だけでなく「大事なことのほぼ全て」を学んだのです。
2. 中学英語を社会人が学び直す理由・メリット
2.1 基礎力の重要性 英語は「積み上げ型」の教科です。例えば、現在完了が苦手なままだとそのあとで学ぶ過去完了でも躓いてしまうことがあります。結局グラグラの基礎の上に高層ビルはどう頑張っても建てられないのです。
2.2 英会話や旅行に役立つ英語力
会社内外で使うビジネス英語はともかく、友だちとのおしゃべりや外国旅行に必要な会話の範囲で言うと、中学英語の力がしっかり身に付いていれば基本的にはそれほど困ることはないでしょう。時制も構文も必要だと思われることは中学で学習済みです。
いわゆる「決まり文句」や「定型表現」を覚えることは必要にはなりますが、それらも中学英語の土台があってこそ活かされます。
2.3 英語の伸びが違う
中学英語が少々あやふやでもTOEIC® L&R TEST450点程度の結果を出せる人も一定数いますが、中学英語がしっかり身についている人は、そうでない人に比べて英語力の伸び方が明らかに違います。「社会人になって今さら中学英語なんて」と考える人よりも、「急がば回れ」を信じる人が伸びます。「ほぼ全部入り」である中学英語の見直しから始めることがお勧めです。
3. 中学レベルの英語勉強法
3.1 英単語の覚え方
「単語を覚えるのが苦手で…」とおっしゃる方が多いのですが、そもそも“英単語を覚えるのが大好きでバリバリ覚えられる人”に出会ったことがありますか?
まずは「英単語は覚えにくいものだ」と認識を変えましょう。その上で「どう覚えるか」という戦略を立てるべきです。書いて覚える・読んで覚える・聞いて覚えるなど方法は多くありますが、お勧めは「自分で発音しながら、エアでつづりながら覚える」方法です。エアなら紙に書く10倍の速さで書けます。そして発音も練習できます。おまけにノートもペンも不要です。ぜひ試してみてください。
3.2 文法の理解と練習
社会人のやり直し英語は文法から頭に入れるのが超お勧めです。かつては嫌いだった文法用語も大人になってから説明を読めば意外とすんなりと頭に入った、というのもよく聞く声です。文法用語が理解できていれば、TOEICテストの問題解説を読んだときの理解度が格段に上がりますし、誰かに質問する場合にも便利です。
たとえば、「進行形はbe動詞+動詞のing形」そして「現在完了はhave(has)+過去分詞」としっかり頭に入れておけば、He’s read a letter.の「’s」はisではなくhasだと簡単に理解できます。また、「受動態はbe動詞+過去分詞」と覚え直した後で実際に英文を読めば、その出現頻度の多さにきっと驚くことでしょう。
ただし、「知る」と「できる」の間には大きな距離があるので、中学生用の問題集や教材などを使って知識を運用する練習が必要になります。
3.3 リーディングとリスニングの練習
リーディングは「だいたいこういう意味」で済まさず、面倒でも文字にして和訳を書き出してみる(スマホやパソコンから入力してもOK!)ことがお勧めです。頭の中ではすんなり訳せたはずの英文も、文字にしてみるとどうしてもつながらなかったり理屈に合わなかったり。いかに自分の読み方が甘いかに気づくことができます。
かと言って自分を追い詰め過ぎて辛くなってしまうのはよくないので、リスニングは自分を甘やかし、そして楽しみましょう。スクリプトのある素材を用意することが必須です。何度か聞いてみて「だいたいこういうことを言っていた」とつかめていたら自分にOKを出しましょう。聞いてわからなかった箇所を、スクリプトで確かめた後でもう数回聞いてみて、「聞こえ方を覚える」ことも忘れずに。
4. 中学レベルの英語でどれくらい英会話ができるか?
4.1 日常会話に必要なフレーズ
「友だちとの日常的な会話」であれば、教科書レベルで十分にできます。聞き取りが心配な人もいるとは思いますが、もう一度言ってもらえばよいだけの話です。また、自分の英語が少々不完全でも、人間には「推測する力」があるので、意思疎通に問題はそれほど起こらないものです。
4.2 海外旅行でのコミュニケーション
いわゆる「日常会話」に加えて、買い物や食事、入国審査時などによく使われるフレーズを覚えておくとよいでしょう。ただし、海外では英語が母語ではない人たちと英語で会話する機会が非常に多くなります。相手の英語がわからない場合は言い直しをお願いするなど、丁寧な姿勢が必要です。
4.3 ネイティブとの会話
中学英語の教科書レベルの英文が大活躍しそうです。ただ、日本に長年住んでいるネイティブと話すのではない場合、相手の話すスピードの猛烈さに圧倒され、お手上げになる人が多いはずです。それでも、萎縮したり恐縮したりする必要はありません。ゆっくり話してもらえるよう、丁寧に依頼しましょう。
5. まとめ
ここまで中学英語についてのあれこれをまとめてきました。意外なことに、私たちは中学で「大事なことのほぼ全て」を学んでいたのですね。社会人が中学生レベルの勉強をすることを恥ずかしく思う人もいるようですが、それはむしろ間違い。
もう一度ゼロから勉強し直すガッツと賢明さを誇ってください。まずはがっしりした基礎を構築し、その上にどんどん英語力を積み重ねていきましょう。


