
導入
ビジネス英語におけるコミュニケーション能力を測るテスト、TOEIC® L&R TEST。進級、就職活動や昇進試験の要件として活用されることも多く、受験を検討している方も多いのではないでしょうか。そろそろ準備を始めたいけれど、何から手をつければいいのか分からない方もいるかもしれません。
この記事では、初めてTOEICを受験する方に向けて、目標スコアの設定や効果的な勉強法、準備のポイントを分かりやすく解説します。
1. TOEICを初めて受ける人が目指すスコア
1.1 中学生・高校生が目指すTOEICスコア
高校や大学の受験で英語試験が免除されるケースや、自分の英語力を測る目的でTOEICを受験する中学生・高校生もいるでしょう。就業経験がほとんどない中で、ビジネス英語のスキルを測るTOEICは難しく感じられるかもしれません。
まずは400点を目標にするのがおすすめです。このスコアは、日常的に使われる基本的な語彙やシンプルな文法を、読む・聞くといった形で理解できるレベルとされています。
1.2 大学生が目指すTOEICスコア
大学生になると、就職活動が本格化する前にTOEICの受験を意識し始める人も多いでしょう。また、大学によってはTOEICのスコアが授業の単位認定や進級・卒業の条件になっている場合もあります。
就職活動においては、700点以上のスコアが強みとして評価されることが多いですが、初めての受験では600点を目標にするのが現実的です。このスコアは、中学レベルの英文法をしっかり習得しており、ある程度まとまった量の英文でも、要点をつかんで理解できるレベルとされています。
1.3 社会人が目指すTOEICスコア
社会人がTOEICを初めて受験する場合、その背景には昇進や海外部門への異動など、キャリアに関わる目的があることが多いでしょう。TOEICを運営する国際ビジネスコミュニケーション協会のデータによると、海外部門に所属する社会人の平均スコアは729点となっており、実務で英語を使う職場ではこの水準が求められていることがうかがえます。
参考リンク:TOEIC Program DAA2024(和文)2024年7月版
英語の勉強からしばらく離れていた人は、まず模試などを通じて自分のおおよそのスコアレンジを把握しましょう。そのうえで、600点を目標に据えて学習を始め、文法や単語といった基礎力をしっかり固めることが大切です。基礎が固まったら、次は700点を照準に学習を進めていきましょう。
すでに700点近い実力がある方は、さらに800点を目指すとよいでしょう。このレベルになると、複雑な語彙や文法を含む長めの英文でも、ある程度の推測を交えて理解できるようになり、実務でのコミュニケーションにも対応しやすくなります。
2. 初めてのTOEIC受験に向けた準備
2.1 本番通りの問題を一通り解いてみる
まずは、公式問題集を1冊用意し、200問1セットを本番と同じ2時間で解いてみましょう。これにより、TOEICテストの全体像をつかむと同時に、時間制限の厳しさを体感することができ、今後の学習でも時間管理を意識できるようになります。
また、解いてみることで「解きやすい問題」「解きにくい問題」が明確になり、自分の強みや弱点を把握できます。その結果、より効果的に学習をスタートすることができるのです。
2.2 目標スコアと受験日を設定する
上で紹介した目標スコアを参考に、まずは初回受験で目指すスコアを設定し、TOEICの受験日を決めましょう。スコアの提出期限ぎりぎりに受験日を設定してしまうと、スコアが思うように出なかった場合に、再受験ができないリスクがあります。そのため、できるだけ早めに初回の受験を済ませておくのが安心です。
準備期間をしっかり確保するためにも、受験日は2〜3カ月先を目安に設定すると、無理のない学習スケジュールが立てやすくなります。
2.3 学習スケジュールを立てる
目標スコアと受験日を設定したら、その日を目指して集中的に学習するスケジュールを立てましょう。授業や仕事がある日は、通学・通勤時間や休み時間などの隙間時間を活用し、単語の暗記やリスニングの練習などを組み合わせて、1日合計1時間は勉強に充てられるよう習慣づけるのがおすすめです。
一方、まとまった時間がとれる休日には、机に向かって問題をまとめて解くなど、本番に近い環境で数時間集中して取り組む時間を確保しましょう。「毎日必ず続ける」という意識を最初にしっかり持つことが、学習を継続する上で何よりも大切です。
3. TOEIC初心者のための勉強法
3.1 基本の単語と文法勉強法
単語や文法の学習は、通学や通勤などの隙間時間を利用して取り組むことができます。
単語学習では、TOEICに特化した目標スコア別の単語本を使えば、頻出語を効率よく、無駄なく覚えることができます。例文に音声がついているものを活用し、耳からのインプットも取り入れましょう。完璧に覚えようと気負わず、1日20〜50語程度を目安に、何度も繰り返して声に出しながら読むことが効果的です。
文法対策では、まず中学校で習う文法をしっかり理解できているかを確認しましょう。知識があいまいな場合は、中学英文法の参考書を使って基礎を固めることが大切です。その上で、TOEICに特化した文法問題集を活用し、出題パターンに慣れていきましょう。問題文を声に出して読み上げることで、文法ルールを音とともに定着させることができます。上級者は、Part 5やPart 6の文法問題について、正解の理由を自分で説明できるようにしっかり理解しておくことが重要です。
3.2 リスニング勉強法
TOEICを初めて受ける人にとって、リスニング力の強化はとても大切です。音のルール(音の連結や脱落など)を理解し、英語を聞いた瞬間に意味をつかめる耳を養うためには、日々のリスニング練習が欠かせません。
リスニング練習には、公式問題集を活用するのがおすすめです。本番と同じナレーターの音声が使われているため、実践的な対策ができます。初級者は、まずPart 1やPart 2の短い文から始め、慣れてきたらPart 3やPart 4の長文に挑戦していくのが効果的です。
ディクテーション(書き取り)、シャドーイング、リピーティング、オーバーラッピングなど、さまざまな練習法を取り入れてみましょう。なかでも音読は非常に効果的です。同じ音を再現しようと練習することで、英語の音に対する感度が高まり、聞いた瞬間に意味をとらえられるようになります。
3.3 リーディング勉強法
多くの人が、TOEICリーディングセクションの長文読解問題に圧倒され、苦手意識を持っています。実際、Part 7の全体の文書量は約3,000語あり、対策なしでは解答時間が足りなくなってしまいがちです。
そこで重要なのは、まず大量の英文をスピーディに読む力を身につけることです。本文自体を精読し、意味を正確に理解した上で繰り返し読む練習が効果的です。
初級者は、1分間に100語を目標に黙読することから始め、徐々にスピードを上げていきましょう。上級者は1分間に200語を読めることを目指すと、時間配分に余裕が出てきます。
また、問題演習の際は、正解だけでなく不正解の選択肢についても理由をしっかり確認し、出題傾向に慣れることが大切です。本文と選択肢の対応関係を、言い換え表現に注目しながら丁寧に分析する習慣をつけることで、解答の精度とスピードが同時に向上します。
3.4 TOEIC形式に慣れる勉強法
TOEICは、120分で200問を解く形式のテストです。このスピードと量に対応するには、TOEIC特有の出題形式に慣れる練習も欠かせません。
まずは、ある程度まとまった分量の英文を読むことに慣れる必要があります。休日などに時間を確保し、パートごと、あるいはリスニング・リーディングのセクションごとに通して、集中して取り組むのがおすすめです。
そうしたうえで、200問を120分で解く通し練習を何度か行い、本番同様の時間配分や集中力を体験しておきましょう。試験当日のペース感覚をつかむ上で、非常に効果的です。
4. まとめ
TOEICを初めて受験する人に向けて、目標スコアの設定方法や効果的な準備の仕方をご紹介しました。毎日集中して取り組んだ学習は、必ず力になります。焦らず、一歩一歩前に進んでいきましょう。


