
30代は、仕事にも慣れ、専門性を高めつつも、今後のキャリアの方向性を真剣に考え始める時期ではないでしょうか。そんなタイミングで転職や海外勤務といった新たなステージを目指す人にとって、TOEIC® L&R TESTスコアは強力な武器になります。この記事では、30代からTOEIC対策をするメリット、効果的な勉強法、そして転職活動でのアピール方法について詳しく解説します。
1. 30代からTOEICを勉強するメリット
1.1 転職に有利
1.1.1 日系企業
日系企業では、採用段階でTOEICスコアを参考にしているケースが多く見られます。
海外売上比率が高いにもかかわらず、実際に海外業務を担える人材が不足している企業も少なくありません。そのため、履歴書にTOEICのハイスコアを記載できれば、選考で有利に働きます。TOEICスコアは単なる数字ではなく、英語力の客観的な裏付けとなり、採用担当者の印象を大きく変える力を持っています。
1.1.2 外資系企業
外資系企業では、必ずしも社内評価にTOEICを採用していない場合もありますが、採用時にはTOEICスコアが参考資料として確認されることが多いでしょう。特に日常業務で英語が必須の部署では、会社からスコア取得が求められていなくても、部署メンバーのほとんどが800点以上を持っているケースもあります。そのため、履歴書にTOEICスコアの記載がなかったり、当該企業の求める基準よりもスコアが低いと、英語力に疑問を持たれる可能性があります。
1.2 昇進・昇給のチャンス
一部の大手企業では、昇格条件として特定のTOEICスコアを設定しており、この基準を満たさなければ一定以上の職位に昇進することができません。
また、スコア達成者に一時金や給与加算を支給する制度を設けている企業もあります。こうした制度は社員全体の英語力向上を目的としていますが、個人にとってもキャリアアップと収入増の両方を同時に叶えるチャンスになります。
1.3 海外で働けるチャンス
海外赴任の条件としてTOEICスコアを設定している企業もあります。特に、海外勤務を希望する社員が少ない会社では、早い段階で高得点を取得して希望を出すことで、高い確率でチャンスを掴むことができます。
2. 30代から始めるTOEICスコアアップのための勉強法
2.1 今の英語力を知る
学習を始める前に、まずは現在の英語力を正確に把握しましょう。初めてTOEIC対策に取り組む場合や、長く英語から離れていた場合は、自分がどの程度のスコアを取れるのか想像しにくく、過大評価や過小評価をしてしまいがちです。誤った現状認識は、適切な学習計画を立てる妨げになります。最初の受験は、本格的な学習計画を立てる前の診断テストと位置づけましょう。
2.2 スコアの目標を設定する
目標スコアはキャリアの方向性と直結します。英語を使うとしても定型表現程度にとどまる職種であれば700点程度でも十分アピールできますが、海外とのやり取りを行う機会がある職種なら800点以上、日常的に英語を使って高度な業務をこなす職種なら900点近くが必要です。こうした基準を参考に、自分がどの水準を目指すべきかを明確にしましょう。
2.3 単語と文法を覚える
TOEICに必要な文法は、中学から高校初級レベルが中心です。ただし、穴埋め問題を解くためだけでなく、リスニングや長文読解にも対応できる文法の運用力が求められます。語順や文構造といった英語の基礎を確認できる教材を使い、丁寧に学び直しましょう。単語は単語帳だけで覚えるよりも、リスニングや読解といった学習の中で繰り返し触れながら覚える方が、記憶に定着しやすくなります。
2.4 リスニング力を向上させる
初中級者にとって、リスニングはスコアを伸ばす近道です。正しい音のイメージを頭に刷り込むために、音声付き教材を活用し、聞いた音を忠実に声に出して再現する練習を繰り返しましょう。リピーティングやシャドーイングなどの音読練習は、知識を定着させてスキルを向上させる上で非常に効果的です。
2.5 英語の長文を読むための勉強法
TOEICの長文は、高度で複雑な文よりも、基本的な文を積み重ねて構成されている場合がほとんどです。そのため、シンプルな文をテンポよく一度で理解できる読解力が求められます。問題を解いた後は、必ず全文を読み返し、意味を正確に理解できているかを確認しましょう。理解が不十分な箇所は文法書や単語帳で補強し、反復練習を重ねることで、一度で内容を把握できる力を養うことができます。
3. TOEICスコアを転職活動でアピールする方法
3.1 TOEICスコアを履歴書に記入
2024年4月以降、TOEICスコアの有効期限は2年間と定められました。履歴書に記載する際には取得年月日を明記することになるので、有効期限内のスコアを記載することが望ましいです。また、TOEICにはTOEIC® L&R TESTの他にもTOEIC® Speaking & Writing Testsなど複数の種類があるため、「TOEIC® L&R TEST」のように正式名称で記載するようにしましょう。
3.2 TOEICスコアを面接でアピール
面接でTOEICスコアが話題になった場合は、単にスコアや英語力を説明するだけでなく、どのような学習計画を立てて対策に取り組んだのか、また学習中に直面した困難をどのように克服したのか、といったエピソードも具体的に伝えましょう。こうした内容は、英語力だけでなく粘り強さや自己管理能力のアピールにつながります。
4. まとめ
30代からのTOEIC学習は、転職や昇進、海外勤務など、キャリアアップの可能性を広げる有効な手段です。現状の英語力を把握し、目標スコアを設定し、基礎を固めながら着実にスキルを積み上げていけば、目指すキャリアに近づくことができます。TOEICスコアは単なる数字ではなく、自分の努力と成長を示す証明でもあります。今日から一歩を踏み出し、理想の未来を手に入れましょう。



