
リモートワークやオンラインでの面接が一般的になっている昨今、TOEIC® L&R TESTもオンラインで受験できたらいいのに、と思ったことはないでしょうか。実は、TOEICにはオンラインで受験ができる仕組みがすでに用意されています。今回はTOEICのオンライン受験について、その方法やメリット、注意点をご説明します。
1. TOEICオンライン受験についての基本情報
1.1 TOEICオンライン受験とは?
TOEICのオンライン受験は、正式には「IPテスト(オンライン)」と呼ばれています。IPというのはInstitutional Programの略で、企業や学校などの団体が主催して行う「団体特別受験制度」のこと。TOEIC IPテストでは、テレワークの推進やオンライン授業の導入といった環境の変化に対応すべく、従来型のマークシート方式に加えて2020年4月からオンライン方式も導入されました。
1.2 受験形式の種類(IPテストと公開テスト)
上記のとおり、IPテストは企業や学校などの団体が主催するものです。一方、公開テストは個人で受験が可能なもので、試験会場での受験となっています。なお、IPテスト(オンライン)はその名の通りTOEIC IPテストでのみ提供されている受験方式なので、個人では利用できない点には注意が必要です。
2. TOEICオンライン受験の詳細
2.1 受験料の違い
IPテスト(オンライン)と公開テストでは受験料が異なります。公開テストの受験料は2025年7月現在7,810円(税込)となっていますが、IPテスト(オンライン)の受験料は4,230円(税込)と安くなっているのが特徴です。
2.2 受験日とスケジュール
次に、IPテスト(オンライン)は団体が受験期間を設定することができ、受験者はテスト実施期間中であれば、24時間好きなタイミングで受験可能になっています。忙しい社会人の方には特にありがたいですね。
2.3 試験時間と出題数
試験時間と出題数も異なっており、IPテスト(オンライン)ではCAT“Computer Adaptive Test”という、受験者の能力に合わせてリアルタイムで出題問題が変化するテストシステムが採用されています。これにより、試験時間は公開テストの約半分、1時間程度で終了します。CATは、リスニング・リーディング各セクションで2つのステージに分かれており、最初のステージ(Unit One)では全受験者に25問の同じ問題セットが出題されます。その後、次のステージ(Unit Two)では最初のステージでの正誤度合に応じて受験者ごとに異なる20問の問題セットが出題される仕組みになっています。
リスニングセクションは約25分の試験時間で、通常のTOEICのPart 1からPart 4と同様の問題が出題されます。全受験者共通のUnit Oneは写真描写問題3問、応答問題4問、会話問題9問、説明文問題9問の計25問が出されます。Unit Twoでは応答問題5問、会話問題9問、説明文問題6問の計20問が出題され、合計45問を解くことになります。
リーディングセクションは37分の試験時間で、こちらも通常のTOEICのPart 5からPart 7と同様の問題が出題されます。全受験者共通のUnit Oneは短文穴埋め問題5問、長文穴埋め問題4問、読解問題16問の計25問が出されます。Unit Twoでは短文穴埋め問題7問、長文穴埋め問題4問、読解問題9問の計20問が出題され、合計45問を解くことになります。
2.4 結果通知の方法
試験結果の通知も公開テストとは異なっています。公開テストでは試験日から17日後にインターネットでスコア表示され、その後公式認定証が発行されますが、IPテスト(オンライン)では試験終了直後にスコアが画面に表示されます。また、スコアはテスト終了後翌日の午前10時から受験サイト上でも確認できます。
3. TOEICオンライン受験のメリット
3.1 自宅で受験できる
TOEIC IPテスト(オンライン)の大きなメリットの一つは、自宅で受験できる点です。試験会場までの移動時間や交通費が不要で、慣れた環境でリラックスしてテストに臨むことができます。静かで集中できる時間帯を自分で選べるのも魅力です。また、天候や交通状況に左右される心配もなく、安心して受験日を迎えられる点も非常にありがたいですね。
3.2 時間に融通がきく
IPテスト(オンライン)は学校や企業が指定する受験期間内であれば、好きな日時に受験できる柔軟さがあります。そのため、忙しい社会人や学生でも、自分のスケジュールに合わせて無理なく受験計画を立てられるのが特長です。定期試験や仕事の繁忙期を避けることができ、体調や集中力が最も発揮しやすいタイミングで受験できるので、自分のベストパフォーマンスを出しやすいと言えるでしょう。
3.3 結果をすぐ知ることができる
前述のとおり、IPテスト(オンライン)では試験終了後すぐに結果を画面上で確認できる点も大きなメリットです。公開テストでは受験からスコア発表まで17日程度かかりますが、そのタイムラグがないことは非常に便利ですね。特に目標スコアを早期に達成しなければならない事情がある方にとっては朗報ではないでしょうか。
4. TOEICオンライン受験のデメリットと注意点
4.1 パソコンの動作環境
TOEICをオンラインで受験する際は、事前に自分のパソコンの動作環境を確認しておきましょう。必要とされるスペックの詳細についてはIIBCが作成しているこちらのリーフレットも併せてご確認ください。
4.2 インターネット接続の確認
インターネット接続の安定性はとても重要です。自宅でPCを使って受験するなど、慣れている環境であっても、必ず事前にインターネットの接続状況を確認しておきましょう。万が一、試験中に通信が途切れてしまった場合は、一旦ブラウザを閉じて受験を中断してください。その後、受験を開始したときと同じ手順でサイトにアクセスしログインすると、“Resume Test”というボタンが表示され、それを押すことでテストを再開できます。
4.3 カンニングしたらどうなるか
言うまでもないことですが、テスト中のカンニングは厳禁です。万が一カンニングが発覚した場合は、スコアの無効化などの厳しい措置が取られます。IPテスト(オンライン)では、不正行為を防止するための「AI監視サービス」(有料オプション)の利用が可能になっています。「AI監視サービス」は、受験前に本人の顔と本人確認書類を撮影した後、試験中の受験者の様子を動画で記録し、【受験者の入れ替わり】【複数人の映り込み】【不正の可能性が高い目線の動き】などをAIが解析するものです。団体の担当者はWebの管理画面で、AI解析による不正検知結果および録画データを確認することができ、不正がなかったかをチェックすることが可能です。
5. まとめ
TOEICのオンライン受験はIPテスト限定ですが、もし受験が可能であれば、様々なメリットがあるので一度試してみてはいかがでしょうか。公開テストと要領が異なるので、この記事を参考に、違いをしっかり理解して臨みましょう。


