
TOEIC® L&Rテストのリーディングセクションでは、日常生活やグローバルビジネスで使われる英語を読み解く力が求められます。その中で、最初に登場するPart 5は、英語の基礎力である文法と語彙の知識を試すパートです。限られた時間内で正確に解くには、どのようなスキルや対策が必要なのでしょうか?この記事では、Part 5の問題形式や出題傾向を解説し、効果的な対策法を紹介します。
1. TOEIC Part 5とは?
Part 5は、リーディングセクションのいちばん初めに登場するパートで、文法と語彙の知識が問われます。問題数は30問。20ワード以内の短い文に空所が1か所設けられており、選択肢4つの中から、空所を埋めるのに最も適した語句を選びます。トピックは他のパートと同様、ビジネス関連が中心で、Eメール、記事、宣伝物などに使われるような短文が多く出題されます。
2.TOEIC Part 5の問題形式
2.1 文法問題
Part 5の30問のうち、半数強が文法の知識を問う問題です。特に、正しい品詞(名詞、動詞、形容詞、副詞)を選ぶ「品詞問題」と、動詞の正しい形(時制や分詞など)を選ぶ「動詞問題」が最も多く出題されます。
そのほか、文中の前後を論理的に結ぶ接続詞を選ぶ問題や、文法知識と語彙知識を組み合わせて正解を導くハイブリッド型の問題も含まれます。出題形式に一定の傾向があるため、対策が立てやすいと言えます。
2.2 語彙問題
Part 5の残りの半数近くは、単語の知識を問う「語彙問題」です。選択肢には同じ品詞の単語が並び、文意が通るように正しい単語を選ぶ必要があります。精密で深い語彙力が求められるため、解答テクニックが使いにくく、短期間での対策が難しい問題タイプです。文脈を把握するために多くの時間を使ってしまう危険性も含んでいます。
3.TOEIC Part 5を解くための基本テクニックとコツ
3.1 解答時間の短縮
Part 5では、解答時間をいかに短縮するかがポイントです。リーディングセクションでは75分間で100問を解く必要があるため、時間配分が非常に重要です。Part 7の長文読解問題では時間をかけるほど正解を見つけやすくなるのに対し、Part 5の文法や語彙の問題は「知識」に基づいて正解が即決できるタイプの問題です。
知識が不足して解答に悩む場合は、迷わず次の問題に進む判断が求められます。効率的に解答して時間を節約し、Part 7に余裕を持たせた時間を残すことで、リーディングセクション全体のスコアを底上げする役割を担う、重要なパートと言えるでしょう。
3.2 問題を見極めるためのポイント
Part 5の30問は、さまざまな問題タイプが順不同で出題されます。問題タイプに応じて解答アプローチが異なるため、効率的かつスピーディに解き進めるには、問題タイプを正確に見極めることがポイントとなります。
問題タイプを見極めるには、まず選択肢を確認しましょう。選択肢を見ることで、その問題が「品詞を問う問題」なのか「時制や態を問う問題」なのか「文脈上の意味や語彙力を問う問題」なのか、などが判断できます。
問題タイプを見極めたうえで、後述する各タイプに適した解答アプローチを活用して正解を導きましょう。このステップを踏むことで、効率よく時間を短縮することができます。
3.3 解答のための時間配分
Part 5の30問は10分~14分以内に解き終わることを意識しましょう。問題によって難易度にばらつきはありますが、1問あたりの解答時間は20秒以内を目標にし、最長でも30秒を超えないようにすることが重要です。
秒単位での時間感覚を身につけるには、時間を計りながら繰り返し練習することが最も効果的です。他の人にストップウォッチで1問ごとの解答時間を計ってもらうのも良い方法ですし、自分で練習する場合は、6問を2分以内に解くようにタイマーを設定して取り組むなどの方法があります。
また、特定の問題に時間をかけすぎるのは避けましょう。時間を費やしても正答率が上がるとは限りません。実際のテストでは、解答時間が想定以上にかかる場合、その問題を思い切って捨てる勇気を持つことが大切です。
4.TOEIC Part 5問題タイプ別の解き方
4.1 文法問題
文法を問う問題で頻出する「品詞問題」と「動詞問題」の解答アプローチを説明します。
●品詞問題
選択肢に語幹が同じで異なる品詞の単語が並びます。文全体を読む必要がなく、空所の前後2~3語を確認することで、文脈に求められる品詞を判断しやすい問題です。スピーディに解答できることが多いのが特徴です。
(例)
The Northern Line trains ------- run on time, but delays may occur during heavy snowfall.
(和訳)
ノーザンラインの列車は通常時間通りに運行しますが、大雪の際には遅延が発生する可能性があります。
(A) norm 規範(名詞)
(B) normal 通常の(形容詞)
(C) noramlly 通常は(副詞)
(D) normality 正常性(名詞)
空所前に主語The Northern Line trains、空所後に動詞のrunがあるため、「主語+動詞」の間に挿入できる副詞(C) normallyが正解。副詞は語尾が-lyで終わることが多いことからも、選択肢を絞ることが可能です。
●動詞問題
選択肢には、現在形、過去形など動詞のさまざまな活用形が並びます。文頭から読み始めることで主語を見つけやすくなり、文の構造をはやく理解しやすくなります。
(例)
A new training program will ------- to improve employees' customer service skills.
(和訳)
従業員の接客スキルを向上させるため、新しい研修プログラムが導入されます。
(A) introduce 導入する(原形)
(B) introduced 導入した(過去形)
(C) introducing 導入される(現在分詞)
(D) be introduced 導入される(原形・受動態)
助動詞 will の後に続ける動詞の原形を選ぶ必要があり、選択肢からは (A) と (D) が該当します。主語 A new training program(新しい研修プログラム)と動詞 introduce(導入する)の関係を考えると、この文では「プログラムが導入される」という受動態が適切です。そのため、正解は (D) となります。
4.2 語彙問題
同じ品詞で、違う意味を持った語句が選択肢に並びます。必ずしも空所周辺のみで正解を判断できるとは限らず、解くのに多くの時間がかかることがあります。また語句の精密な意味や正確な使い方を知らなければ解けない難問も含まれます。
(例)
Noise levels are expected to increase during the ------- of the main building.
(和訳)
本館の改修工事中は、騒音レベルが上がると予想されています。
(A) renovation 修繕
(B) attention 注目
(C) medication 投薬
(D) concentration 集中
選択肢には-tionで終わる名詞が並んでいます。空所の周囲の語句とスムーズに意味がつながる語を選ぶことがポイントです。この例では、空所前のduring(~の間)と空所後のof the main building(本館の)に注目し、自然に意味がつながる(A) renovation「修繕」が正解。「騒音レベルが上がる」という文前半の内容もつながります。\
5.TOEIC Part 5無料練習問題と解答
TOEICのPart 5の問題について、いくつか練習問題を掲載します。取り組んで力試しをしてみてください。\
5.1. 問題
【1】Dr. Kumar has a thorough understanding of all aspects of psychology, but he specializes ------- consumer behavior.
in
over
about
of
【2】The vending machine in the staff lounge will ------- be out of service, so please use the one in the public area.
consecutively
temporarily
lately
previously
【3】Rocknow Radio now has a comments section on its website ------- listeners can connect directly with the presenters.
so that
only if
even then
as though
【4】------- wasting time waiting for packages to arrive, First Direct customers can track packages online to know exactly when they will come.
In order to
Rather than
How about
In case
【5】New parking lots have been opened at Granston Airport, ------- 300 meters from Terminal 2.
casually
lightly
approximately
immensely\
5.2. 解答解説
【1】正解:(A)
(訳)Kumar博士は心理学のあらゆる側面を深く理解していますが、彼が専門としているのは消費者行動です。
文意に合う前置詞を選びます。specialize inで「~を専門とする」という意味になる(A) inが適切です。
【2】正解:(B)
(訳)職員用ラウンジの自動販売機は一時的に使えなくなるので、公共区域のものを使ってください。
文意に合う副詞を選びます。自動販売機が使えなくなるという文意に合うのは(B) temporarily「一時的に」です。
【3】正解:(A)
(訳)Rocknowラジオは、リスナーが直接司会者とつながれるように、ウェブサイト上にコメント欄を用意しています。
空所の前は「コメント欄を用意している」という内容、後ろは「リスナーが直接司会者とつながれる」という内容なので、これを自然につなぐことができるのは目的を表す接続詞(A) so that「~するように」です。
【4】 正解:(B)
(訳) 荷物が到着するのを待って時間を無駄にするのではなく、First Directの顧客は荷物をオンラインで追跡し、いつ届くのかを正確に知ることができます。
文意に合う語句を選びます。文の前半は「荷物が到着するのを待って時間を無駄にする」という内容、後半は「荷物がいつ届くのかを正確に知ることができる」という内容なので、対比を表す(B) Rather thanが適切です。
【5】 正解:(C)
(訳)Granston空港の、第2ターミナルから約300メートルのところに新しい駐車場が開設されました。
選択肢はすべて副詞。空所の後に300 metersと数値が入っており、これにつながる語としては(C) approximately「約、おおよそ」が適切です。\
6.まとめ
Part 5は、正確さとスピードを両立させることで、貴重な時間を節約できる重要なパートです。限られた試験時間を有効に使い、効率的な解答を心がけて、自分の実力をしっかりとスコアに反映させてください!


