
「TOEIC® L&R TESTの問題集は何冊も取り組んでいるのに、本番で同じような問題で何度も間違えてしまう」という悩みを抱えている学習者は少なくありません。学んだ内容をきちんと整理して身につけるためには、「ノート作り」がおすすめです。知識を自分の言葉でまとめ、必要なときにすぐ振り返れる状態にしておくことで、学習効果がアップします。この記事では、TOEIC学習におけるノートの使い方と、スコアアップにつながる効果的なまとめ方について解説します。
1. TOEICの勉強においてノートは重要?
1.1 ノートを使うメリット
自分で作ったノートは、学習の過程で得た知識や気づきを整理して記録できる、オリジナルの参考書になります。TOEIC対策の学習では、複数の教材を組み合わせて勉強するのが一般的です。だからこそ、バラバラの情報を1冊にまとめておくことで、学習内容を俯瞰しやすくなります。また、問題集は何度も繰り返し取り組むことが想定されるので、書き込みをせず、ノートに要点をまとめるのがおすすめです。どこで間違えたか、どんな表現を学んだかを蓄積していくことで、復習の効率がぐっと高まります。
1.2 ノートを使うデメリット
ノート作りには多くのメリットがありますが、時間と手間がかかるのがデメリットです。丁寧にまとめようとしすぎて、ノートを「きれいに作ること」自体が目的になってしまっては本末転倒です。学習心理学の研究では、見た目が整ったノートは満足感を得やすい一方で、内容理解や記憶定着の効果は必ずしも高くないとされています。ノートはあくまでも記憶の補助ツールであり、書いた内容を頭に入れてこそ意味があるということを忘れないようにしましょう。
2. TOEIC勉強ノートの作り方、活用法
2.1 新しい知識や重要なポイントを整理する
問題集に出てきた新しい語句や表現は、その都度ノートに書き足していきましょう。このとき、単語だけを抜き出すよりも、できるだけフレーズの形で書くことをおすすめします。そのほうが語句の使い方も一緒に覚えられ、文脈と結びついた記憶がしやすくなります。初級者の場合は、すべてを網羅しようとせず、問題を解くうえで必要な知識に絞ってメモを取るのが効果的です。文法の解説や、本文中の表現と正解の選択肢にある言い換え(パラフレーズ)のペアなども、重点的に押さえるべきポイントです。また、単語やフレーズは一覧にして整理し、英語と日本語を左右に並べるとセルフチェックがしやすくなります。定期的に見返しながら復習することで、語彙力の定着が促されます。
2.2 間違えた問題を分析する
TOEICのスコアを伸ばすためのカギは、「同じ間違いを繰り返さないこと」です。間違えた問題の正解をただ覚えるのではなく、「なぜ間違えたのか」「次はどうすれば正解できるのか」という視点で整理し、ノートに記録していくことが大切です。たとえば、「正解が(B)のA sales representativeだった」と覚えるのではなく、「be in charge of(〜の担当で)やaccount(取引先)、sales pitch(営業プレゼン)というキーワードがあったから、話し手はsales representative(営業担当者)」といったように、正解の根拠を言語化して残すのがポイントです。
2.3 間隔をあけて繰り返し復習する
ノートは書いただけでは意味がなく、何度も見返してこそ力になります。記憶の定着には、「繰り返し」と「復習のタイミング」が重要です。認知心理学では「間隔反復(Spaced Repetition)」と呼ばれる方法が有効とされており、復習の間隔を少しずつ長くしていくことで、記憶が長期間維持されやすくなるといわれています。たとえば、新しく学んだことは翌日に復習し、その次は3日後、さらに1週間後、2週間後というように段階的に復習の間隔をあけていきましょう。こうした周期を意識することで、効率よく知識を脳に定着させることができます。
3. TOEIC勉強ノート作りのポイント
3.1 見やすさを意識する
ノートは何度も見返して使うことが前提なので、あとから読み返したときに「どこが重要なのか」がひと目で分かる構成が理想的です。文字をぎっしり詰め込まず、余白をうまく活用して視認性を高めましょう。また、どのテキストの何ページに書かれていた内容かを併記しておくと、必要に応じて元の問題に戻って確認することができます。さらに、語彙やフレーズだけをまとめた別冊の単語ノートを作るのも効果的です。
3.2 英文を書き写して覚える
英文を実際に手で書いて覚える「音読筆写」という方法も、TOEIC対策の学習に取り入れる価値があります。これは、英文を音読しながら筆写することで、視覚・聴覚・運動といった複数の感覚を同時に使う学習法です。著名な同時通訳者・國弘正雄氏もこの方法を強く推奨していました。全文を書き写すのが難しい場合でも、印象的な表現やよく使われる構文などを選んでノートに記録しておくだけで、自然な英語表現が身につきやすくなります。
3.3 見た目にこだわりすぎない
ノートには最低限の見やすさは必要ですが、見た目に凝りすぎてノートをきれいに作ることばかりに気を取られ、肝心の学習がおろそかになってしまっては意味がありません。カラフルなペンやシールを使うことで勉強のモチベーションが上がるのであれば活用しても構いませんが、それが学習効果につながっているかは常に意識しましょう。ノート作りに時間をかけすぎるよりも、何度も繰り返して復習する時間に力を入れることが大切です。
4. まとめ
ノートは、TOEIC対策における強力な学習ツールです。新しく学んだ表現や自分の気づきを記録しておくことで、効率的な復習が可能になります。英文を声に出して読みながら書き写す「音読筆写」も取り入れると、記憶への定着効果がさらに高まります。ただし、ノート作り自体が目的になってしまわないよう注意が必要です。まとめることで満足せず、何度も見返して、実際の得点力アップに結びつけていくことが大切です。


