
「会社によってはエントリーシート(ES)にTOEIC® L&R TESTスコア記入欄があるらしいので受験は必須?」「就活のときにTOEIC® L&R TEST700点あれば有利だと聞くけれど、いつ頃から準備すればいいの?」と思っている大学生は多いはずです。では実際、どのくらいのスコアを目標にして、いつ頃からTOEICを受験し始めればよいのでしょうか?
1. 大学生にとってのTOEICテストを受ける意味とは?
1.1 就活でスコアをアピールする
TOEIC® L&R TESTの公開テスト受験者全体の平均スコアは612点、学生の平均スコアは589点でした(出典:TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2024)。このデータから考えると、600点あれば普通に英語ができる証明になりそうです。一般に、職務に英語が不要な場合は700点、英語が必要な場合は800点以上あればアピール効果が大きくなるようです。(ただし、外資系企業では「英語はできて当たり前」なので、TOEICスコアが特に重視されないこともあります。)
1.2 留学・キャリアアップ
大学の交換留学制度の応募などでTOEICスコアの提出が要求されることが多くあります。早めに受験してスコアを用意しておけばチャンスに対応できます。また高いTOEICスコアがあれば自身の将来の選択肢を広げる一助になり、市場価値を高めることにもつながります。
1.3 勉強時間が確保できるうちに
大学生に「忙しいですか?」と尋ねると、ほとんどの人が「もちろん!」と答えることでしょう。授業にサークル活動にボランティア、そしてアルバイト…。確かに大学生は忙しいはずです。しかし、社会人になったとたんに「学生の頃は時間があったよなあ」としみじみと感じる人が圧倒的に多くなります。もちろん、TOEICスコアアップのために頑張っておられる社会人も多いのですが、時間捻出に苦労されている方が多数のようです。ぜひ「忙しいようで実は時間がある大学生」のうちに英語の基礎をしっかり付けておきましょう。
2. 大学生はいつからTOEICを受けるのが良いか?
2.1 できるだけ早くからの受験がおすすめ
TOEICを受験した大学生に感想を聞くと「難しかった」「できなかった」と、ため息まじりに答える人がほとんどです。2時間・200問の試験なので、ちょっと勉強するだけでサッと高スコアが取れる種類の試験ではありません。
また、他の多くの試験と同様に、傾向と対策が必要な試験でもあります。それに慣れるためにも、「まだ1年生だから」と思っていないで、できるだけ早くから受験することがおすすめです。「しっかり勉強してから受けます!」という人も多いのですが、1回・2回の受験で納得のいくスコアが取れる人はほんのひと握りです。「ちゃんと勉強したのに…」と後悔を残すより、まずは学習を始める前に「様子見受験」をすることをおすすめします。すでに2年生の人は、直近の公開テストを「様子見受験」してから作戦を立てましょう。
3. 理想的なTOEIC受験の頻度
3.1 目標スコアから逆算して決める
例えば700点を目標スコアとするあなたが「様子見受験」をしたとしましょう。その結果が、先に述べた大学生の平均スコア(約600点)に大きく足りなければショックが大きいかもしれませんが、それこそが「様子見受験」の価値です。基礎部分から復習をするチャンスが与えられたと思ってください。まずは半年ほど勉強を重ねてから再受験しましょう。一方、「様子見受験」の結果が600点台だった人は、しっかり学習して3カ月後くらいにぜひもう一度受験を。目標スコア700点を超えた、あるいはそれに近いスコアが出た人は、ぐっとやる気が出て自主的に再度受験するでしょうから、特にアドバイスは必要ないかもしれませんね。
3.2 受験回数の目安
1年に1回の受験では、次に受ける頃には受験感覚を忘れている可能性が高く、もったいないでしょう。少なくとも年2回は受験したいところです。「受験料が負担なのであまり頻繁に受けたくない」という正直な声もよく聞きますが、受験料は単なる出費ではなく、あなたの将来への投資だと考えてください。例えば10回受験して(= 8万円弱を投資して)高スコアを取り、憧れの企業に就職できるとしたら、十分に価値のある投資だと思いませんか?
4. TOEIC目標スコアの決め方
4.1 大学生における目標スコア(600点、700点、800点)
英語が得意ではない人はまず600点を目標スコアにしましょう。特に英語を使わない職種を希望する人は700点、英語を使う職種を目指す人は800点がマストだと考えてください。
5. 大学生のTOEIC勉強スケジュールの立て方
5.1 現在の英語レベルを把握する
「できるだけ早くからの受験がおすすめ」の項目でも述べたように、あえて試験準備をしないで受ける「様子見受験」をおすすめします(試験の構成くらいは前もって見ておく必要はありますが)。「素のままの英語力」を測定しておくことに大きな意味があります。
5.2 目標スコアを決める
「大学生における目標スコア(600点、700点、800点)」でザックリした目標の定め方を述べましたが、例えば700点目標で現在のスコアが300点の人は、「次回受験時に400点」のように小刻みに目標スコアを上げていくことをおすすめします。「手近な目標」を立てることは、あなたが意欲を持って学習を進めていくために非常に重要です。
5.3 リスニング、リーディング、文法、語彙にどれだけ時間を割くか決める
現在のスコアが600点未満の人は、まず得意分野を伸ばすことを第一に学習を進めましょう。それ以上の人は逆に不得意分野を伸ばすことに専心してください(リスニングとリーディングのスコアの差は100点以内に抑えたいところです)。ただし、どのスコアの人にも、単語学習を優先して進めることには大きなメリットがあります。通学時間などスキマ時間を上手く使うと、ほんの5分10分でそれなりの数の単語を覚えることが可能です。
5.4 学習教材を決める
書店に行くとTOEIC関連書が山ほど並んでいますが「最初の1冊」なら『公式TOEIC® Listening & Reading 問題集 11』で決まりです(Vol.11が最新刊です。Vol.1ではなく必ず最新刊を選んでください)。公式スピーカーによるリスニング音声が収録されており、換算表がついていて正解数からスコア目安もわかるので、絶対的におすすめです。もちろん「1回解いて終わり」ではなく、リスニング練習用に、単語学習用に、読解用にと使い倒してください。また単語集も1冊用意したいところです。「TOEIC 単語集」とスマホかPCで検索して自分に合いそうなものに目星をつけた後、できれば書店で実物を見てから購入しましょう。
6. まとめ
「目的地(=目標スコア)が決まっているなら早く出発した方が早く到着する」「車の性能があまり良くないなら(=英語があまり得意でないなら)早く出発した方が早く到着する」が、「大学生はTOEICをいつ受けるのがいい?」という問いに対するシンプルな答えです。自分の将来に対する投資として、ぜひ早めにTOEICを受験し、目標スコアを取っておきましょう。



