
皆さんがTOEIC® L&R TEST受験の度に記入するアンケート、その結果からはとても多くの有益な情報が得られます。この記事では公式に集計されたデータから大学生の皆さんが就職活動や留学にTOEIC® L&R TESTを活用していく際に知っておくとよい内容をまとめてお伝えします。
1. TOEICのスコアが大学生にとって重要な理由
大学生にとってTOEIC® L&R TESTのスコアが重要な理由の第一は、就職活動において有利になる点です。多くの企業が選考時にTOEIC® L&R TESTのスコアを参考にしており、業務内容によっては一定以上のTOEIC® L&R TESTやTOEIC® Speaking&Writing Testsのスコアが応募の前提条件である場合も少なくありません。また、選抜制の留学や留学に関連する奨学金の申し込みなどの際にも、英検、TOEFL、IELTSといったアカデミック系の試験に加えて、TOEIC® L&R TESTのスコアが参考にされることも多いでしょう。当然、より良いスコアを持っている学生は、より多くの機会に恵まれる可能性が高まります
2. 大学生のTOEIC平均スコア
2.1 大学生のTOEIC平均スコア
日本でTOEICを運営するIIBCの2024年の報告書(2023年度実施分)によると、大学生の平均スコアは596点で、受験者全体の平均スコア612点をやや下回っています。
推移的には緩やかに上昇傾向で、5年前の平均スコア574点に比べても20点以上上がっています。コロナ禍に自宅で過ごす時間が増えたことで、資格取得を考え勉強時間が増えた学生や社会人が多いと考えられ、全体の平均スコアもこの期間に588点から612点に上がっています。
2.2 専攻別のTOEIC平均スコア
2.1内のリンク内に大学の専攻別のIPテストの結果も記載されていますが、それによると「語学・文学系(英語専攻)」の平均スコアが最も高く、528点、その次が「国際関係学系」の専攻で519点です。専攻内容の履修に英語を必要とする学生の平均が高いことが分かります。3番目は「医・薬学系」で491点でした。
2.3 学年別のTOEIC平均スコア
大学生の場合、専攻に関係なく学年が上がるほどスコアも上がる傾向です。TOEIC® L&R TEST受験が就職のためだとすればとても自然な結果ですし、学習の成果としても時間と努力がスコアに反映されていると言えるでしょう。また大学院生の平均は大学生平均よりも高く、565点でした。
3. 大学生のTOEICスコアの目安
3.1 就職活動におけるTOEICスコアの重要性
日本経済の低迷が続く中、海外投資が日本へやってくる時代が終わり、日本側が積極的に外に出てビジネスチャンスを掴みにいかなくてはならない時代になったことによって、英語の運用能力の重要性は一段と増しています。以前は「英語より仕事ができるのが優先」と言われていましたが、今は「英語も仕事もできる」ことが求められるようになりました。
そのような中、TOEIC® L&R TESTのスコアは採用候補者の力を測る客観的なデータとして活用されています。日本企業の文化では「採用した人間を社内で教育する」という価値観が主流だったので、英語の社内研修も以前は活発に行われていましたが、近年では、1.日本企業の体力・資金・人手不足、2.コロナ禍からの研修のあり方の変化、3.AIによる英語学習方法の進化、などにより「金銭的補助は出すが、英語力は個人の努力で」という考え方が主流になってきています。そうであればなおさら、仕事のポテンシャルに差が無ければ、スコアのより高い人を採用したほうが企業側としても有利になります。
3.2 留学を考える大学生のためのTOEICスコア目安
留学の目的や、留学後の生活のあり方によって、大変個人差が出るところです。筆者の個人的な知見ではありますが、留学期間が同じ場合、留学前の英語力が高いほど留学中の学びの質が高く、留学の成果が出やすい傾向にあります。あまり英語ができない状態で留学しても、英語での生活に慣れ始めた頃には帰国を迎えてしまうケースが多いように思います。
留学の本分である学問だけでなく、人間関係の構築などにも語学力の高低が大きく影響します。留学したい人は「現地で勉強すればいいや」ではなく、「行く前に可能な限り英語力を上げよう」と考えてください。
留学ではありませんが、近年「ワーキングホリデイ(通称ワーホリ)」で海外に行く若い日本人の多くが英語力不足で良い仕事に就けない、というニュースを頻繁に見かけます。ワーホリであってもきちんと仕事に就くためにはそれなりの英語力が必要なことをぜひ知っておいてください。
4. 企業が求めるTOEICスコアとその理由
4.1 日本企業が求めるスコアの傾向
一般的に日本企業が採用時に期待する英語力としてTOEIC600点が意識されることが多いようですが、それは即戦力としての英語がさほど必要ではない場合で、「教養の基本としての英語力」の目安かと思います。即戦力として英語力が求められる企業の代表に商社がありますが、大手商社と呼ばれるところの多くが730点以上を採用の基準としており、大手証券会社のグローバル採用では860点以上を求められるケースもあります。
現在の日本の大学生のスコア平均が596点であることを考えると600点というのは就職活動でのプラスの競争力にはなりにくいと考えられます。スコアで優位性を得たいのであれば700点以上は必要でしょう。
4.2 外資系企業におけるTOEICスコアの重要性
業種にもよりますが、意外にも外資系企業の一般社員の英語力はそれほど高くありません。ローカル採用で国内営業などが担当の場合、よほど昇進しない限り英語力はさほど必要ではない場合が多いです。逆にマネジメント以上の役職になるためにはかなりの英語力が必要とされますので、TOEICスコアでもL&Rに偏ったスコアではなく、Speaking & Writingも含めた四技能のスコアが取れることが重要です。4.1のリンク内にもありますが、TOEICを採用している企業が目標とするのが「英語の会議で議論ができる」ことであるとすると、これはL&Rの範疇には収まらない能力になります。
5. TOEICスコアを上げるために大学生ができる勉強法
TOEICの学習方法に学生も社会人も差はありません。学習方法に関してはTOEICの勉強法を初心者~上級者・社会人までタイプ別・レベル別に解説!にも詳しく書かれているので、ぜひ参考にしてください。
では、学生と社会人で何が違うかといえば、それは「時間のゆとり」です。社会人になると、自由に使える時間は限られてきます。優先しなければならない多くの仕事があり、英語の学習に向き合うのがより難しくなります。そこで社会人の多くは英語コーチやスクールにお金をかけて効率重視で学習することになります。
学生の持つ最も大きなアセットは時間です。これにいち早く気づき、学生のうちから時間を活用して英語学習を進め、就職活動までに目標のスコアを獲得していれば、社会人になってからのスタートダッシュに効いてきます。同期の仲間より早く、より良いチャンスを掴むこともできるでしょう。この記事を読んでいる学生の皆さん、ぜひ今日から明確な目標を持って学習を進めてくださいね。
6. まとめ
TOEIC受験の際に皆さんが回答するアンケートの結果からは、とても多くの事実や傾向が見えてきます。それらを参考にすることによって、自分の現在の立ち位置、将来の目標、そこに至るための方法を明確にしましょう。TOEICスコアを自分の強みにできたらどれほどいろいろな事がスムーズに進むか想像してみてください。そして時間と努力で誰でも手にすることができるのがスコアです。


