
皆さんはTOEIC® L&R TEST(以下TOEIC)で900点を取得する難易度やメリット、勉強法についてどのくらい知っていますか?この記事ではTOEIC900点について学習者が押さえておくべき情報をわかりやすくお伝えします。
1.TOEIC900点とは?
1.1 TOEIC900点のレベルと難易度
900点はTOEIC全受験者の上位4%~5%に位置し、ビジネス英語を実践的かつ高度に使いこなせる素地があることを示します。取得難易度はかなり高く、リスニングとリーディングの両方で9割程度の正答率が求められます。
【参考】https://www.iibc-global.org/hubfs/library/default/toeic/official_data/pdf/DAA.pdf
1.2 英検との比較
TOEIC900点は英検準1級~1級レベルに相当します。英検準1級~1級では学術的・専門的な話題を含む幅広い内容に対応できる非常に高度な英語運用力が求められるのに対し、TOEIC900点はビジネスに関する日常的なやり取り(会話やメールなど)や、記事や報告書、議事録などに記載された内容に対応できる非常に高度な英語運用力が求められます。
1.3 TOEIC900点のメリット
900点を取得すると、採用担当者に英語力を強力にアピールできるため、就職や転職の際に非常に有利になります。また、昇進・昇格や年収アップのチャンスが大幅に拡大します。さらに、海外出張や駐在、海外留学への応募の際、TOEIC900点は強力な武器になります。
2.TOEIC900点に必要な英語力
2.1 語彙力と文法力
TOEICで900点を取得するためには、非常に高度な語彙力と文法力が求められます。語彙力に関しては、約8,000~10,000語レベルの単語力が必要と言われています。例えば、メールや契約書、報告書に頻出するフォーマルな単語や表現だけでなく、会社の合併や新サービスの紹介、店舗の開店などを伝える記事などに登場する難易度の高い単語や表現も押さえておく必要があります。さらに、同義語やパラフレーズ(表現の言い換え)、口語表現の知識も求められます。
文法力に関しては、基礎的な英文法の知識に加えて、分詞構文、仮定法、倒置や省略を含む複雑な文構造など、高度な英文法の知識が不可欠です。また、例えば動詞のattributeは「attribute A to B」のように前置詞のtoとセットで使う、assureは「assure <人> that SV」のように直後に目的語として「人」を取る、などの語法の知識も求められます。
2.2 リーディング力とリスニング力
900点を取得するためには、行間を捉えながら内容をスムーズかつ素早く正確に理解できる力が求められます。リスニングセクションでは、スピードの速い会話にもついていくことができ、国籍が異なるナレーターの発音やイントネーションも聞き分けながら内容を理解できる力が必要となります。一方、リーディングセクションでは、文法と単語の深い知識をベースに、内容や文脈を素早く正確に捉える読解力が求められます。
3.TOEIC900点を取得するための勉強時間
個人差はありますが、仮に現在600点(公開テストの平均的なTOEICスコア)を持っているとして、そこから900点を取得するためには、 指導経験上約200~500時間程度の学習が必要となります。これはTOEICにフォーカスした学習を毎週100分行った場合に、約2年半~6年かかる計算になります。個人差もあるため、900点を取得するまで、おおよそ300時間は必要だとするデータもあります。別記事TOEICの勉強時間はどれくらい必要?スコア別に勉強時間を解説!も参照ください。
4.TOEIC900点を取得するための勉強法
4.1 語彙力を強化する方法
模試やTOEIC対策用の単語本を活用して、TOEICに頻出する中~高難度の単語をコロケーションや例文で確実に覚えるようにしましょう。特に、900点を取得するためにはTOEICに頻出する多義語の意味をしっかり押さえることが大事です。例えばexclusiveであれば、「独占的な」「唯一の」「(会員)限定の」「高級な」という4つの意味を押さえた上で、文脈に応じて適切に意味を選択できる力が900点レベルには求められます。また、TOEICに登場するパラフレーズ(語句の言い換え)や、同義語、口語表現を学べる教材で学習することも大事です。
4.2 文法力を強化する方法
900点を目指すレベルの学習者は、Part 5の文法問題を繰り返し解き、どんな角度で出題されても正解を選べるようにトレーニングを積むことが大事です。知識が曖昧な文法項目を文法書で確認する作業も忘れないでください。また、単語の語法を学ぶことも文法力の強化に繋がります。例えば、entitleという動詞は、受動態のかたちで「be entitled to do」「be entitled to <権利>」「be entitled <本などのタイトル>」のように使うことが多く、to不定詞、前置詞のto、名詞句のいずれも従えることができます。こうした語法の確かな知識も900点レベルの文法力に必要不可欠です。
4.3 リスニング力を強化する方法
語彙力・文法力の強化と連動してリスニング力も強化されていきますが、特に900点を取得するために意識してトレーニングすべきは「英語の音声変化」の聞き取りです。英語の音声変化とは、例えば、last longが「ラス ロン」のように一部の音が消えて聞こえたり、sign upが「サインナップ」のように繋がって聞こえたりする現象のことです(他にもいくつか音声変化のパターンはありますがここでは割愛します)。
英語の音声変化はネイティブスピーカー同士の会話でよく起こるので、海外ドラマや映画、ニュース記事などを素材にした「英語の音声変化」が学べるディクテーション教材で、細かな音を聞き取るトレーニングを積むのが効果的です。
4.4 リーディング力を強化する方法
語彙力・文法力の強化と連動してリーディング力も向上していきますが、特に900点を取得するために意識してトレーニングすべきは「速読」です。TOEICのリーディングセクションでは、制限時間内に合計約3500~4000語の長文を読まなければなりません。設問に関連しそうな箇所は速度を少し落として読み、そうでない部分は高速で読む、などの調整をしながら、平均180~200 wpm(1分間に180~200語)のスピードで読むのが望ましいです。
模試や問題集でPart 7の文章を読む際は、必ずストップウォッチで時間を測りながら読むように心がけましょう。TOEICから離れて、自分が興味のあるニュース記事や雑誌記事などを、時間を測りながら積極的に読む習慣を身に付けることも大事です。
4.5 模試や公式問題集の活用法
900点の取得を目指すのであれば、難易度が高めの模試や900点向けの問題集の活用をおすすめします。公式問題集は、問題形式やナレーターの音声に慣れたり、本番のテストと同じクオリティーの問題を難易度の低いものから高いものまで制限時間内に解く訓練を積んだりするには最適ですが、900点ホルダーになるためには中~高難度の問題をたくさん解くのが効果的です。
5.まとめ
TOEIC900点は全受験者の上位4%~5%に位置し、ビジネス英語を実践的かつ高度に使いこなせる素地があることを示します。取得すれば就職や転職の際に非常に有利になるだけでなく、昇進・昇格や年収アップのチャンスも飛躍的に拡大します。ただし、取得難易度はかなり高く、リスニング力、リーディング力の向上のために、人一倍努力を積み重ねる必要があります。


